FP1級過去問題 2019年5月学科試験 問4

問4

国民年金保険料に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 国民年金の第1号被保険者が障害基礎年金または遺族基礎年金の支給を受けている場合や、生活保護法による生活扶助を受けている場合は、所定の届出をすることにより、国民年金保険料の納付が当然に免除される。
  2. 国民年金の第1号被保険者が保険料納付猶予制度(国民年金の保険料の免除の特例)の適用を受けるためには、当該被保険者が30歳未満であり、かつ、被保険者本人および配偶者の所得金額が一定額以下である必要がある。
  3. 免除を受けた2020年度の国民年金保険料を2024年度中に追納する場合、その金額は、2020年度当時の保険料額に、追納までの経過期間に応じた加算額が上乗せされた額となる。
  4. 国民年金の第1号被保険者が、時効により国民年金保険料を納付することができない保険料未納期間を有する場合、厚生労働大臣の承認を受けることにより、当該承認の日の属する月前5年以内の期間に係る保険料に限り、後納することができる。

正解 3

問題難易度
肢115.5%
肢212.3%
肢358.6%
肢413.6%

解説

  1. 不適切。遺族基礎年金の支給では、法定免除の対象にはなりません。国民年金保険料の納付が法定免除されるのは、国民年金の第1号被保険者が以下のいずれかに該当する場合です(国民年金険法89条)。
    • 障害基礎年金または障害厚生年金(2級以上)の受給権者
    • 生活保護法による生活扶助を受けている者
    • ハンセン病療養所などの施設入所者
  2. 不適切。30歳ではありません。国民年金の第1号被保険者が保険料納付猶予制度の適用を受けるためには、当該被保険者が50歳未満で、かつ、本人・配偶者の前年所得金額が一定額以下である必要があります(平成26年改正法附則14条)。
    猶予制度の対象が50歳未満になったのは2016年(平成28年)7月以降です。それ以前は30歳未満までに限られており、制度の名称も「若年者納付猶予」でした。
  3. [適切]。免除を受けた国民年金保険料を追納する場合、前年度と前々年度分の保険料に関しては本来の保険料額を納付すれば足りますが、3年度目以上前の保険料を追納するときは、追納までの経過期間と免除の割合に応じた加算額が上乗せされます。2020年度に免除を受けた保険料を2024年度中に追納する場合、4年度前であるため本来の保険料に加算額が上乗せされた額を納付することになります(国民年金険法94条3項)。
  4. 不適切。5年以内ではありません。保険料未納期間については、納付期限から2年を経過していない期間の保険料についてのみ後納することができます。なお、免除期間・猶予期間については年金事務所での申し込み、厚生労働大臣の承認を受けたうえで、過去10年以内であれば追納できます(国民年金険法94条1項)。
したがって適切な記述は[3]です。