FP1級 2019年5月 応用編 問65(改題)
問65
「非上場株式等についての相続税の納税猶予及び免除の特例」に関する以下の文章の空欄①~⑧に入る最も適切な語句または数値を、解答用紙に記入しなさい。「非上場株式等についての相続税の納税猶予及び免除の特例」(以下、「本特例」という)の適用を受けるためには、その会社につき、所定の特例承継計画を策定して都道府県知事に提出し、その確認を受け、「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」に基づく認定を受けなければならない。この認定を受けるためには、相続開始後(①)カ月以内にその申請を行うことが必要とされている。
また、本特例の適用を受ける後継者は、相続開始の日の翌日から(②)カ月を経過する日において会社の代表権を有し、かつ、相続開始の時において、後継者および後継者と特別の関係がある者で総議決権数の(③)%超の議決権数を保有することとなることなどの要件を満たす必要がある。なお、後継者が複数いる場合、所定の要件を満たせば、最大(④)人まで本特例の適用を受けることができる。
仮に、Aさんが所有するX社株式10万株のすべてを長男Cさんが相続により取得し、本特例の適用を受けた場合、長男Cさんは、相続により取得したX社株式に対応する相続税額の(⑤)の納税猶予を受けることができる。
なお、本特例の適用後、特例経営承継期間の末日において、5年間平均で相続開始時の雇用の(⑥)割を維持できなかった場合、引き続き納税猶予を受けるためには、下回った理由等を記載した一定の報告書を都道府県知事に提出し、その確認を受ける必要がある。また、特例経営承継期間内は毎年、その期間の経過後は(⑦)年ごとに、一定の書類を添付した継続届出書を納税地の所轄税務署長に提出する必要があり、その提出がない場合は、猶予されている相続税額の全額と(⑧)税を納付する必要がある。
①カ月 |
②カ月 |
③% |
④人 |
⑤ |
⑥割 |
⑦年 |
⑧税 |
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正解
① 8(カ月) |
② 5(カ月) |
③ 50(%) |
④ 3(人) |
⑤ 全額 |
⑥ 8(割) |
⑦ 3(年) |
⑧ 利子(税) |
分野
科目:F.相続・事業承継細目:9.事業承継対策
解説
〔①について〕本特例を受けるためには、都道府県知事から円滑化法の認定を受けなければなりませんが、認定の申請は相続開始後8カ月以内に行う必要があります。
よって、正解は8(カ月)となります。
〔②について〕
本特例の適用を受ける者が後継者である場合、相続開始日の翌日から5カ月を経過する日において会社の代表権を有していることが要件になります。
よって、正解は5(カ月)となります。
〔③について〕
本特例の適用を受ける者は、相続開始の時において、後継者および後継者と特別の関係がある者で総議決権数の50%超の議決権を保有していることが要件になります。
よって、正解は50(%)となります。
〔④について〕
本特例では後継者が複数人いる場合、最大3人まで適用を受けることができます。一般措置においては、1人の後継者のみ適用を受けることが可能です。
よって、正解は3(人)となります。
〔⑤について〕
本特例の適用を受けた場合、相続により取得した株式に対する相続税全額の納税が猶予されます。
よって、正解は全額となります。
〔⑥について〕
本特例を適用したあと特例経営承継期間の末日において、5年間で平均8割の雇用を維持する必要がありますが、雇用維持できなかった場合で引き続き納税猶予を受けるためには、この要件を満たさなかった理由等を記載した報告書を都道府県知事に提出してその確認を受ける必要があります。
よって、正解は8(割)となります。
〔⑦について〕
本特例を継続して適用するためには、必要書類を添付した継続届出書を所轄税務署長に提出しなければなりませんが、特例経営承継期間内は毎年、期間経過後は3年ごとに提出する必要があります。
よって、正解は3(年)となります。
〔⑧について〕
継続届出書の提出がない場合は、原則、特例の適用が打ち切られ、猶予されている相続税額の全額と利子税を納付する必要があります。
よって、正解は利子(税)となります。
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