FP1級 2019年9月 応用編 問55

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問55

《設例》の〈X社とY社の財務データ〉に基づいて、①X社のサスティナブル成長率と②Y社のインタレスト・カバレッジ・レシオをそれぞれ求めなさい。〔計算過程〕を示し、〈答〉は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入し、小数点以下第2位までを解答すること。

正解 

① 5.25(%)
(120,000百万円1,800,000百万円-200,000百万円×100)×(1-36,000百万円120,000百万円)=5.25%
② 9.85(倍)
250,000百万円+800百万円+5,200百万円26,000百万円=9.85%(小数点以下第3位四捨五入)

分野

科目:C.金融資産運用
細目:10.金融商品と税金

解説

〔①について〕
サスティナブル成長率は、外部資金調達を行わずに内部投資のみで実現可能な成長率のことで、以下の式で算出されます。

 サスティナブル成長率(%)=内部留保率×自己資本利益率×100

【内部留保率】
内部留保率は、当期純利益に占める配当支払い等を控除した金額(内部留保額)の割合で「内部留保額÷当期純利益×100」で表されます(または模範解答のように「1-配当金総額÷当期純利益」で求める)。

 120,000-36,000120,000×100=70%

【自己資本利益率】
自己資本利益率は、自己資本に対してどの程度の利益を上げたかを示す指標で「当期純利益÷自己資本×100」で求めます。自己資本の額は、純資産の額から「新株予約権」と「非支配株主持分」の2つの除いた額なので「1,800,000-200,000=1,600,000」、X社の自己資本利益率は、

 120,000÷1,600,000×100=7.5%

以上より、X社のサスティナブル成長率は、

 70%×7.5%×100=5.25%

よって、正解は5.25%です。

〔②について〕
インタレスト・カバレッジ・レシオは、借入金などの利息の支払い能力を測るための企業の信用力を評価する指標のひとつです。事業利益(営業利益・受取利息・受取配当金)が金融費用(支払利息・割引料)の何倍であるかを以下の算式で求めます。

 インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)=営業利益+受取利息+受取配当金支払利息+割引料

Y社の財務データの各値を上記の式に代入すると、インタレスト・カバレッジ・レシオは、

 250,000+800+5,20026,000=9.846…倍
(小数点以下第3位四捨五入)9.85倍

よって、正解は9.85倍です。