FP1級 2019年9月 応用編 問56

【この問題にはが用意されています。読んでから回答してください。】
 Aさん(40歳)は、長男Bさん(5歳)の将来に向けた資産形成のため、NISAを利用して上場株式への投資を行いたいと考えている。Aさんは、同業種のX社とY社に興味を持ち、下記の財務データを入手した。また、外貨預金についても関心を持ち、下記の米ドル建定期預金による運用も考えている。
 そこで、Aさんは、ファイナンシャル・プランナーのMさんに相談することにした。

〈X社とY社の財務データ〉(単位:百万円)
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〈米ドル建定期預金の概要〉
  • 預入期間:6カ月満期
  • 利率(年率):1.2%(満期時一括償還)
  • 適用為替レート(円/米ドル)
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  • 上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

問56

《設例》の〈米ドル建定期預金の概要〉の条件で、為替予約を付けずに円貨を外貨に交換して当該外貨預金に預け入れ、満期時に円貨で受け取る場合における利回り(単利による年換算)を求めなさい。〔計算過程〕を示し、〈答〉は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入し、小数点以下第2位までを解答すること。また、6カ月は0.5年として計算し、税金等は考慮しないものとする。

正解 

 2.49(%)
110.20円×(1+0.012×0.5年)109.50円-10.5年×100=2.49%(小数点以下第3位四捨五入)

分野

科目:C.金融資産運用
細目:6.外貨建て商品

解説

外貨での利回り計算では、円換算の預入価格と受取価格をそれぞれ求め、年換算したときの利益(または損失)額を預入価格で除して求めます。

【預入価格】
購入時は円貨を外貨に交換するため、TTSを使用して預入価格を計算します。

 預入価格 109.50円

【受取価格】
外貨を受け入れるときは外貨を円貨に交換するため、TTBを使用します。利率(年率)が1.2%で預入期間が6カ月(0.5年)のため、円換算の利息額および満期時の受取価格は、

 利息額 110.20円×1.2%×0.5年=0.6612円
 満期時の受取価格 110.20円+0.6612円=110.8612円

年換算の利益額は、

 110.8612円-109.50円0.5年=2.7224円

したがって利回りは、 

 2.7224円÷109.5円×100=2.486…%
(小数点以下第3位四捨五入)2.49%

よって、正解は2.49(%)です。    

※本問のように預入額が与えられていない場合には、100米ドルや10米ドルと仮定して利回りを求めてもいいと思います。