FP1級過去問題 2020年1月学科試験 問16

問16

投資信託に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. ファンド・オブ・ファンズは、複数の投資信託を主要な投資対象とする投資信託であり、投資信託約款において、株式や債券などの個別銘柄の組入比率を50%未満とする旨の記載があるものをいう。
  2. アンブレラ型ファンドは、契約時に投資家があらかじめ設定された複数のサブファンドの中から投資対象を自由に組み合わせることができる投資信託であるが、運用中にサブファンドを組み替えることはできない。
  3. ベア型ファンドは、先物やオプションなどを利用して、基準となる指数の値動きを上回る投資成果を目指す投資信託であり、相場の上昇局面ではより高い収益率が期待できる。
  4. MRFは、主に証券会社で行う有価証券の売買その他の取引に係る金銭の授受の用に供することを目的とした投資信託であり、通常の投資信託と異なり、元本に損失が生じた場合に投資信託委託会社が補填することが認められている。

正解 4

問題難易度
肢112.8%
肢29.9%
肢313.9%
肢463.4%

解説

  1. 不適切。ファンド・オブ・ファンズとは、複数の投資信託を投資対象とする投資信託のことで、分散投資されている投資信託を多数組み合わせることで、リスクを抑えることができます。
    投信協会のルールによって「1つのファンドへの投資比率は50%を超えてはならない」と定められており、最低でも2種類以上のファンドに投資していることになりますが、株式や債券などの個別銘柄には投資することはできません。
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  2. 不適切。アンブレラ型ファンドとは、ひとつの投資信託の中にサブ・ファンドといわれる複数の投資信託が設定されている仕組みのことで、運用中にスイッチングによってサブ・ファンドを組み替えることができます。
    それらの組み替えによって、投資環境の変化や自分のライフプランの変化に合わせて運用することができます。
  3. 不適切。ベア型ファンドとは、先物やオプションなどを利用して、基準となる指数の値動きを大幅に上回る投資成果を目指すレバレッジ投資信託で、下降局面でリターンを期待できるファンドです。
    「ベア」とは熊が爪を振り落として攻撃する姿に由来しています。ベア型と対称的な商品であるブル型は、牛が角を突き上げる様子に由来して、市場が上昇しているときにリターンを期待できるファンドになっています。
    インバース型ファンドは、先物やオプションなどを利用して、基準となる指数の値動きを上回る投資成果を目指す投資信託であり、相場の上昇局面において、より高い収益率が期待できる。2022.5-18-3
  4. [適切]。MRFとは、安全性の高い公社債などで運用される投資信託のことで、証券総合口座専用の投資信託です。元本割れとなった場合には、金融商品取引法で投資信託委託会社による損失補てんが可能とされています。
したがって適切な記述は[4]です。