FP1級過去問題 2022年5月学科試験 問18

問18

投資信託の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. MRFは、格付けの高い公社債やコマーシャルペーパー等を投資対象としたオープン型の公社債投資信託であり、主に証券会社で行う有価証券の売買その他の取引に係る金銭の授受の用に供することを目的とした投資信託である。
  2. ロング・ショート型ファンドは、株価の相対的な上昇が予想される株式を購入すると同時に、株価の相対的な下落が予想される株式を空売りすることで、株式市場の上昇・下落にかかわらず、収益の獲得を目指す投資信託である。
  3. インバース型ファンドは、先物やオプションなどを利用して、基準となる指数の値動きを上回る投資成果を目指す投資信託であり、相場の上昇局面において、より高い収益率が期待できる。
  4. ベア型ファンドは、原指標の変動率に一定の負の倍数を乗じて算出される指標に連動する運用成果を目指して運用される投資信託である。

正解 3

問題難易度
肢16.0%
肢219.2%
肢360.9%
肢413.9%

解説

  1. 適切。MRFは、信用度が高い公社債やコマーシャルペーパー等を投資対象とした証券総合口座専用のオープン型公社債投資信託です。有価証券の売買や債券の利子や投資信託の分配金の入金等に使用され、主に投資資金を保持しておくことを目的とした投資信託です。
  2. 適切。ロング・ショート型は、買建てと売建てを組み合わせた運用戦略です。割安な株式を買い建てる(ロング)と同時に、割高な株式を売り建てる(ショート)ことで、市場全体の値動きにかかわらず運用収益を獲得を目指します。ヘッジファンドの代表的な運用手法の一つです。
    ロング・ショート型の投資信託は、相対的に割安と考えられる銘柄を買い建てるとともに、相対的に割高と考えられる銘柄を売り建てることで、市場の変動にかかわらず、収益の獲得を目指すものである。2025.1-17-2
  3. [不適切]。インバース型ファンドは、原指数の日々の変動率が一定のマイナスの倍率になるように設計されたファンドです。インバース型は、原指数が下落すると上昇し利益が生じ、原指数が上昇すると下落し損失が生じます。基準となる指数の値動きを上回る投資成果を目指す投資信託は、レバレッジ型ファンドです。
    ベア型ファンドは、先物やオプションなどを利用して、基準となる指数の値動きを上回る投資成果を目指す投資信託であり、相場の上昇局面ではより高い収益率が期待できる。2020.1-16-3
  4. 適切。ブル型・ベア型のファンドは、先物取引やオプション取引を利用して基準となる株価指数を大幅に上回る投資成果を目指す投資信託です。ブル型は対象指標が上昇しているときに、それに連動(一定倍の連動を含む)して利益を得ることを目指すファンド、ベア型は逆に対象指標が下落しているときに、それに逆連動(一定倍の逆連動を含む)して利益を得ることを目指すファンドです。
    インバース型ETFは、原指標の日々の変動率に一定の負の倍数を乗じて算出される指標に連動した運用成果を目指して運用される。2025.5-17-1
    ブル型の投資信託は、原指標の変動率に一定の正の倍数を乗じて算出される指標に連動する運用成果を目指すものであり、市場の上昇局面ではより高い収益率を期待することができる。2025.1-17-3
    インバース型ETFは、原指標の変動率に一定の負の倍数を乗じて算出される指標に連動する運用成果を目指して運用される。2022.1-18-2
    ダブルインバース型ETFは、変動率が原指標の変動率の2倍となるように設定された指標に連動する運用成果を目指して運用され、その変動率は原指標の変動率よりも大きくなる。2019.9-17-2
したがって不適切な記述は[3]です。