FP1級過去問題 2020年1月学科試験 問44
問44
代償分割に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。- 遺産分割にあたって、代償分割により代償財産を交付する場合、代償財産の支払期日や支払方法などを記載した遺産分割協議書を公正証書により作成しなければならない。
- 代償分割により交付した代償財産が相続開始前から所有していた不動産であった場合、代償債務を履行したときの時価で譲渡したものとして、当該不動産を交付した者の所得税の課税対象となる。
- 代償分割により取得した代償財産が不動産であった場合、当該不動産の所得税法上の取得費は、代償債務の履行として当該不動産を交付した者の取得費を引き継ぐことになる。
- 代償分割により取得した代償財産が不動産であった場合、当該不動産の所得税法上の取得時期は、代償債務の履行として当該不動産を交付した者の取得時期を引き継ぐことになる。
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正解 2
問題難易度
肢15.7%
肢252.6%
肢324.5%
肢417.2%
肢252.6%
肢324.5%
肢417.2%
分野
科目:F.相続・事業承継細目:3.相続と法律
解説
- 不適切。代償分割は、不動産など現物分割が困難な相続財産を特定の相続人が代表して取得し、その相続人が他の相続人に対して、各人の取り分に相当する代償財産を支払うことで遺産分割をする方法です。
代償分割を行う際は、代償財産の交付が贈与として認定課税されないために遺産分割協議書を作成しなければなりませんが、遺産分割協議書の要件を満たしていれば公正証書である必要はありません。遺産分割にあたって、相続財産を現物で取得した相続人が、他の相続人に対して代償財産を交付する場合、代償財産の支払期日や支払方法などを記載した遺産分割協議書を公正証書により作成する必要がある。(2018.1-45-3) - [適切]。代償財産として不動産を交付する場合、相続人間で資産の譲渡があったものとみなされます(所基通33-1の5)。代償財産の価額は時価で評価されるので、時価で譲渡したものとして所得税の課税対象となります。代償分割により取得した代償財産が不動産であった場合、当該不動産の所得税法上の取得費は、代償債務の履行として当該不動産を交付した者の取得費を引き継ぐことになる。(2014.1-44-2)
- 不適切。代償財産は、相続ではなく別の相続人からの譲渡により取得することになるので、相続や贈与のように取得費の引継ぎはありません。よって、代償財産交付時の時価が譲渡所得計算上の取得費となります(所基通38-7)。
- 不適切。代償財産は、相続ではなく別の相続人からの譲渡により取得することになるので、相続や贈与のように取得時期の引継ぎはありません。よって、代償財産の交付を受けた日が譲渡所得計算上の取得時期となります(所基通38-7)。
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