FP1級 2020年1月 応用編 問51
問51
Mさんは、Aさんに対して、Aさんが定年退職後もX社の再雇用制度を利用して雇用保険の一般被保険者として同社に勤務し続けた場合の雇用保険からの失業等給付について説明した。Mさんが説明した以下の文章の空欄①~⑧に入る最も適切な語句または数値を、解答用紙に記入しなさい。- 「Aさんが、X社の再雇用制度を利用して60歳以後も引き続き同社に勤務し、かつ、60歳以後の各月(支給対象月)に支払われた賃金額(みなし賃金を含む)が60歳到達時の賃金月額の(①)%相当額を下回る場合、Aさんは、所定の手続により、原則として、高年齢雇用継続基本給付金を受給することができます。
高年齢雇用継続基本給付金の額は、支給対象月ごとに、その月に支払われた賃金額の低下率に応じて一定の方法により算定されますが、最高で賃金額の(②)%相当額となります」 - 「Aさんが、X社の再雇用制度を利用して60歳以後も引き続き同社に勤務し、かつ、65歳到達前に退職して求職を希望する場合、Aさんは、所定の手続により、失業している日について基本手当を受給することができます。
基本手当の日額は、原則として、被保険者期間として計算された最後の(③)カ月間に支払われた賃金(賞与等を除く)の総額を基に算出した賃金日額に、当該賃金日額に応じた給付率を乗じて得た額となります。なお、賃金日額には、下限額および受給資格者の年齢区分に応じて上限額が設けられています。また、賃金日額に応じた給付率は、受給資格に係る離職日において60歳以上65歳未満である受給資格者の場合、100分の(④)から100分の80の範囲です。
Aさんが特定受給資格者等に該当しない場合、Aさんが基本手当の支給を受けることができる最大の日数(所定給付日数)は(⑤)日となり、その受給期間は、原則として離職日の翌日から(⑥)年間となります。
なお、Aさんが基本手当の受給中に安定した職業に就いた場合、所定の要件を満たせば、再就職手当または高年齢再就職給付金のいずれか一方を受給することができます。再就職手当については、就職日の前日における基本手当の支給残日数が所定給付日数の(⑦)以上であることが要件の1つとなり、高年齢再就職給付金については、就職日の前日における基本手当の支給残日数が(⑧)日以上であることが要件の1つとなります」
①% |
②% |
③カ月 |
④ |
⑤日 |
⑥年間 |
⑦ |
⑧日 |
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正解
① 75(%) |
② 15(%) |
③ 6(カ月) |
④ 45 |
⑤ 150(日) |
⑥ 1(年間) |
⑦ 3分の1 |
⑧ 100(日) |
分野
科目:A.ライフプランニングと資金計画細目:4.社会保険
解説
〔①について〕高年齢雇用継続基本給付金は、原則として60歳到達時に一般被保険者としてのみなし算定基礎期間(被保険者であった期間)が5年以上ある被保険者が60歳以降も引き続いて勤務する場合において、60歳から65歳到達月までに支払われる各月の賃金が60歳到達日(または受給資格を満たした日)の賃金月額と比較して75%未満に低下しているとき、各月ごと賃金の15%を上限として支給される給付金です。
よって、正解は75(%)となります。

60歳到達時と比べて賃金額が61%未満に低下しているとき、その月の賃金額の15%になります。これが高年齢雇用継続基本給付金の上限額です。
よって、正解は15(%)となります。

雇用保険の基本手当日額は、過去6カ月間に支払われた賃金総額を180で除して算出した賃金日額に、賃金日額に応じた所定の率を乗じて決定されます。賃金日額ごとの率は50%(60歳以上65歳以上の人は45%)~80%です。Aさんは60歳以上65歳未満ですから、下限は45%となります。
基本手当日額=賃金日額×50%(45%)~80%
よって、③は6(カ月)、④は45(%)が正解です。
〔⑤について〕
定年退職者を含む一般受給資格者の所定給付日数は、算定基礎期間(被保険者であった期間)のみによって決まり、以下のようになっています。

よって、正解は150(日)となります。
〔⑥について〕
基本手当の受給期間は、原則として離職日の翌日から1年間です。この期間を過ぎると所定給付日数が残っていても給付を受けられません。
よって、正解は1(年)となります。
〔⑦について〕
再就職手当と高年齢再就職給付金は、同一の再就職についてどちらか一方しか受給することができません。
再就職手当は、基本手当の支給残日数を所定給付日数の3分の1以上残して、定職に就いた人に対して支給されます。支給額は支給残日数によって以下のようになっています。
- 支給残日数が所定給付日数の3分の2以上
- 基本手当日額×支給残日数×70%
- 支給残日数が所定給付日数の3分の1以上
- 基本手当日額×支給残日数×60%
〔⑧について〕
高年齢再就職給付金は、一般被保険者としての算定基礎期間が5年以上ある人が基本手当を受給し、基本手当の支給残日数を100日以上残したまま、60歳以後に1年を超える雇用が見込める安定した職業に就き、再就職後の各月に支払われる賃金が離職時賃金の75%未満になっている場合に支給されます。支給額の算定式は、離職前の賃金に基本手当日額算定時の賃金月額を用いることを除いて、高年齢雇用継続基本給付金と同じです。
よって、正解は100(日)となります。
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