FP1級過去問題 2020年9月学科試験 問38

問38

5年前に父からの相続により借地権(定期借地権等ではない)と借地上の自宅家屋を取得したAさんは、2023年8月、借地権設定者から、その借地権の目的となっている宅地(底地)を買い取った。下記の〈条件〉に基づき、Aさんが買い取った宅地に係る不動産取得税の税額として、次のうち最も適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。

〈条件〉
  • 買い取った宅地(底地)の取得価額は、6,000万円である。
  • 買い取った宅地の固定資産税評価額は、8,000万円である。
  • 相続により取得した借地権の価額の評価上、借地権割合は70%である。
  • 不動産取得税の税率は、標準税率とする。
  1. 27万円
  2. 36万円
  3. 90万円
  4. 120万円

正解 4

問題難易度
肢18.5%
肢222.7%
肢317.1%
肢451.7%

解説

不動産取得税は、不動産の所有権を得た人に対して課される税金なので、借地権の設定時には課されず、不動産の所有権を取得したときにだけ課されます。Aさんは底地の買取りにより土地全体の所有権を得ることになるので、土地全体を取得したものとして不動産取得税が課されます。

不動産取得税の税額は「固定資産税評価額×税率」の式で求めます。不動産取得税の標準税率は4%ですが、宅地については税率を3%にする軽減制度と、課税標準を2分の1にする軽減制度が適用されます。

買い取った宅地の固定資産税評価額は8,000万円ですので、不動産取得税の税額は、8,000万円を2分の1にした額に税率3%を乗じて得た額となります。

 8,000万円×1/2×3%=120万円

したがって[4]が正解となります。