FP1級過去問題 2021年1月学科試験 問43

問43

次の各ケースのうち、受贈者が2023年分の贈与税の申告をしなければならないものはいくつあるか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。
  1. 2022年中に祖父から500万円の贈与を受けて「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税」の適用を受けた受贈者が、2023年中に当該教育資金管理契約に係る非課税拠出額から200万円の教育資金を支出した場合
  2. 2022年中に父から500万円の贈与を受けて相続時精算課税の適用を受けた受贈者が、2023年中に父から100万円の贈与を受けた場合
  3. 2023年中に父から500万円の贈与を受けた受贈者が、同年中にその全額を充当して住宅用家屋を取得し、「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」の適用を受ける場合
  4. 2023年10月に死亡した父から同年2月に500万円の贈与を受けていた受贈者が、父の相続により財産を取得したが、相続税の課税価格の合計額が遺産に係る基礎控除額以下であり、相続税の申告書を提出しない場合
  1. 1つ
  2. 2つ
  3. 3つ
  4. 4つ

正解 2

問題難易度
肢120.6%
肢258.7%
肢318.1%
肢42.6%

解説

  1. 申告は不要。「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税」の適用を受けた翌年以降は、贈与税の申告書を提出する必要はありません。ただし、教育資金口座から払い出された金銭を使ったときは、受贈者は領収書(または電磁的記録)を所定の期限内に金融機関に提出することになっています。
  2. 申告は必要。相続時精算課税の適用を受けると2,500万円までは贈与税が非課税となりますが、それ以降は受けた贈与の額にかかわらず贈与税の申告書を提出しなければなりません。相続時精算課税制度の適用を受けると暦年課税の基礎控除の適用がなくなるのと、国税庁側で累計額を把握しなければならないというのがその理由です。
  3. 申告が必要。「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」の適用を受けるには、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に、納税地の所轄税務署長に必要事項を記載した贈与税の申告書を提出しなければなりません。
  4. 申告は不要。相続のあった年に相続人が受けた贈与は相続税の課税価格に含めて計算するので、贈与税の配偶者控除等の特例を受ける場合を除いて、贈与税の申告書の提出は不要です。
したがって贈与税の申告をしなければならないものは「2つ」です。