FP1級 2021年1月 応用編 問56

【この問題にはが用意されています。読んでから回答してください。】
 Aさん(40歳)は、将来に向けた資産形成のため、上場株式と投資信託への投資を行うことを検討しており、X社株式およびYファンド・Zファンドに興味を持っている。また、NISAを利用してみたいと考えている。
 そこで、Aさんは、ファイナンシャル・プランナーのMさんに相談することにした。X社の財務データ等は、以下のとおりである。

〈X社の財務データ等〉(単位:百万円)
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〈Yファンド・Zファンドの実績収益率・標準偏差・相関係数〉
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  • 上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

問56

《設例》の〈Yファンド・Zファンドの実績収益率・標準偏差・相関係数〉に基づいて、①Yファンドのシャープ・レシオと②YファンドとZファンドをそれぞれ6:4の割合で購入した場合のポートフォリオの標準偏差を、それぞれ求めなさい。〔計算過程〕を示し、〈答〉は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入し、小数点以下第2位までを解答すること。なお、シャープ・レシオについては、安全資産利子率を0.10%として計算すること。
 

正解 

① 0.42
2.00%-0.10%4.50%=0.42(小数点以下第3位四捨五入)
② 3.11(%)
0.62×4.502+0.42×8.502+2×0.6×0.4×△0.50×4.50×8.50=9.67
9.67=3.11%(小数点以下第3位四捨五入)

分野

科目:C.金融資産運用
細目:9.ポートフォリオ運用

解説

〔①について〕
シャープ・レシオは、ポートフォリオの超過収益率を標準偏差で除して求めます。

 シャープ・レシオ=ポートフォリオの収益率-安全資産利益率標準偏差

Yファンドの収益率は2%、安全資産利子率が0.1%、標準偏差が4.5%なので、

 2-0.14.5=0.4222…
(小数点以下第3位四捨五入)0.42

よって、正解は0.42となります。

〔②について〕
A・Bという2つの資産から成るポートフォリオの標準偏差は、以下の式で求めます。

 A=標準偏差A×組入比率A
 B=標準偏差B×組入比率B
 分散=A2+B2+(2×A×B×相関係数)
 標準偏差=分散

上記の式に値を当てはめると、

 A=4.5×0.6=2.7
 B=8.5×0.4=3.4
 分散=2.72+3.42+(2×2.7×3.4×△0.5)=7.29+11.56+18.36×△0.5=9.67
 9.67=3.109…
(小数点以下第3位四捨五入)3.11%

よって、正解は3.11(%)となります。

なお、相関係数ではなく共分散が与えられている問題では、
 相関係数=共分散A資産の標準偏差×B資産の標準偏差
の式で相関係数を求めてから計算します。