FP1級過去問題 2021年5月学科試験 問23

問23

特定口座に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本問における簡易申告口座とは、特定口座のうち、源泉徴収がされない口座をいう。
  1. 簡易申告口座には、上場株式等の配当等や特定公社債等の利子等を受け入れることはできない。
  2. 簡易申告口座は、源泉徴収選択口座と異なり、その年中における口座内の取引内容が記載された「特定口座年間取引報告書」は作成されない。
  3. 源泉徴収選択口座は、開設が投資家1人当たり1口座までとされており、複数の金融機関にそれぞれ源泉徴収選択口座を開設することはできない。
  4. 源泉徴収選択口座に上場株式等の配当等を受け入れた場合、その支払の都度、当該口座内の上場株式等の譲渡損失の金額と損益通算される。

正解 1

問題難易度
肢141.1%
肢214.5%
肢319.1%
肢425.3%

解説

  1. [適切]。簡易申告口座は、特定口座のうち源泉徴収なしの口座です。源泉徴収選択口座と異なり、上場株式等の配当等や特定公社債等の利子等を受け入れることはできません。
    簡易申告口座には、上場株式等の配当等や特定公社債等の利子等を受け入れることはできない。2017.1-23-1
  2. 不適切。特定口座で取引を行った場合、その年中に譲渡した株式等の金額や費用などを記載した「特定口座年間取引報告書」が作成され、翌年1月31日までに、特定口座を開設した者と口座が開設された金融商品取引業者等の営業所の所在地の所轄税務署長それぞれ交付されます。
    簡易申告口座の場合、金融商品取引業者等から送付される「特定口座年間取引報告書」を基に確定申告を行うことになるので、簡易申告口座でも作成されます。
  3. 不適切。源泉徴収選択口座は、1つの金融機関等に開設できるのは1人1口座ですが、複数の金融機関で開設することはできます。
  4. 不適切。源泉徴収選択口座では、上場株式等の配当等と当該口座内の上場株式等の譲渡損失の金額は損益通算できますが、配当等の支払の都度ではなく、年末または年初にまとめて1回その年分の取引に関する損益通算が行われます。
    内国法人から支払を受ける非上場株式の配当については、申告分離課税を選択することにより、その配当所得の金額を同一年中に非上場株式を譲渡したことにより生じた損失の金額と損益通算することができる。2020.9-23-2
    源泉徴収選択口座に上場株式等の配当等を受け入れた場合、その支払の都度、当該口座内の上場株式等の譲渡損失の金額と損益通算される。2017.1-23-3
したがって適切な記述は[1]です。