FP1級過去問題 2021年5月学科試験 問34

問34

不動産登記に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 登記事項要約書は、登記記録に記録されている事項のうち現に効力を有するものが記載され、登記官による認証文や職印が付された書面であり、誰でもその交付を請求することができる。
  2. 登記記録のうち、権利部の甲区には所有権の移転の登記、所有権に関する仮登記・差押え・仮処分などの登記事項が記録され、権利部の乙区には抵当権設定、地上権設定、地役権設定などの所有権以外の権利に関する登記の登記事項が記録される。
  3. 登記されている所有権の登記名義人の住所について変更があったときは、その変更があった日から1カ月以内に、当該住所に関する変更の登記を申請しなければならない。
  4. 登記の申請を行うにあたって、対象不動産に係る登記識別情報を紛失により提供できない場合は、登記官に対し、登記識別情報の失効の申出および再交付の申請を行い、新たな登記識別情報を取得する必要がある。

正解 2

問題難易度
肢113.7%
肢265.0%
肢314.6%
肢46.7%

解説

  1. 不適切。登記事項要約書は、登記記録の概要が記載されていて誰でも交付を請求することができますが、登記官の認証文や職印はないため、公的な証明文書としての効力はありません。公的な証明文書としての効力があるのは、登記官による認証文、作成の年月日及び職氏名、職印がある「登記事項証明書」です。
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  2. [適切]。甲区には所有権の移転の登記、所有権に関する仮登記、差押え、仮処分などの登記事項が記録され、乙区には抵当権設定、地上権設定などの所有権以外の権利に関する登記事項が記録されます。
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  3. 不適切。登記名義人(権利者を有する者)の氏名・住所の変更登記については「できる」というだけで義務ではありません。したがって「変更があったときから1カ月以内」という制限もありません。
  4. 不適切。登記申請において、登記義務者は登記識別情報(12桁の記号情報)を提供しなければなりません。登記識別情報は再発行できないので、紛失した場合には、登記識別情報による本人確認に代えて、法務局に登記名義人住所への事前通知を依頼するか、司法書士や公証人に本人確認情報を作成してもらう必要があります。
したがって適切な記述は[2]です。