FP1級 2021年5月 応用編 問51

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問51

Aさんが、X社を定年退職して再就職しない場合、Aさんが原則として65歳から受給することができる公的年金の老齢給付について、次の①および②に答えなさい。〔計算過程〕を示し、〈答〉は円単位とすること。また、年金額の端数処理は、円未満を四捨五入すること。
なお、計算にあたっては、下記の〈条件〉に基づき、年金額は、2020年度価額に基づいて計算するものとする。

  1. 老齢基礎年金の年金額はいくらか。
  2. 老齢厚生年金の年金額(本来水準による価額)はいくらか。
〈条件〉
  1. 厚生年金保険の被保険者期間
    • 総報酬制導入前の被保険者期間:180月
    • 総報酬制導入後の被保険者期間:331月(65歳到達時点)
  2. 平均標準報酬月額および平均標準報酬額(2020年度再評価率による額)
    • 総報酬制導入前の平均標準報酬月額:36万円
    • 総報酬制導入後の平均標準報酬額:55万円
  3. 報酬比例部分の給付乗率
    • 総報酬制導入前の乗率:1,000分の7.125
    • 総報酬制導入後の乗率:1,000分の5.481
  4. 経過的加算額
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  5. 加給年金額
    39万900円(要件を満たしている場合のみ加算すること)

正解 

① 734,472(円)
781,700円×451月480月=734,472円(円未満四捨五入)
② 1,898,344(円)
360,000円×7.1251,000×180月+550,000円×5.4811,000×331月=1,459,516円(円未満四捨五入)
1,630円×480月-781,700円×451月480月=47,928円(円未満四捨五入)
1,459,516円+47,928円=1,507,444円
1,507,444円+390,900円=1,898,344円

分野

科目:A.ライフプランニングと資金計画
細目:5.公的年金

解説

〔①について〕
2020年度の老齢基礎年金の年金額は、以下の算式で求めます。

 781,700円×保険料納付月数480月

保険料の全額免除や一部免除の期間がある場合は、その免除割合によって以下の条件に基づき保険料納付月数に加算されます。
Aさんは480月のうち29月が未納期間、残りは厚生年金保険の被保険者期間ですので、未納期間(29月)を除いた「480月-29月=451月」が保険料納付月数となります。

 781,700円×451月480月=734,472.2…
(円未満を四捨五入して)734,472円

よって、正解は734,472(円)です。

〔②について〕
65歳以降に受け取る老齢厚生年金の年金額は、以下の算式で求めます。

 報酬比例部分の額+経過的加算額+加給年金額

【報酬比例部分の額】
以下で算出される合計額になります。
  • 平均標準報酬月額×7.1251,000×2003年3月以前の被保険者期間月数
  • 平均標準報酬月額×5.4811,000×2003年4月以降の被保険者期間月数
Aさんの厚生年金被保険者期間は2003年3月以前(総報酬制導入前)が180月、2003年4月以降が331月なので、報酬比例部分の額は、

 360,000円×7.1251,000×180月+550,000円×5.4811,000×331月
=461,700円+997,816.05円=1,459,516.05円
(円未満を四捨五入して)1,459,516円

【経過的加算額】
定額部分から老齢基礎年金相当額を差し引いた金額となります。2020年度の老齢基礎年金の満額は781,700円で、被保険者期間の月数は「180月+331月=511月→上限480月」、20歳以上60歳未満の被保険者期間は①の保険料納付済月数と同じく451月なので、(4)の計算式にあてはめると、

 1,630円×480月-781,700円×451月480月=47,927.70…
(円未満を四捨五入して)47,928円
1,630円×被保険者期間の月数-老齢基礎年金の額と考えてもOKで、こちらの方が計算は簡単です。
【加入年金額】
以下の条件を満たすときに支給されます。
Aさんの厚生年金被保険者期間は240月以上で、妻Bさんは年下ですので加給年金額を受け取ることができます。

以上より、老齢厚生年金の年金額は、

 1,459,516円+47,928円+390,900円=1,898,344円

よって、正解は1,898,344(円)です。