FP1級過去問題 2021年9月学科試験 問3

問3

雇用保険の介護休業給付金および育児休業給付金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 介護休業を開始した被保険者に支給される介護休業給付金の額は、介護休業期間中に事業主から賃金が支払われなかった場合、1支給単位期間について、休業開始時賃金日額に支給日数を乗じて得た額の67%相当額である。
  2. 介護休業給付金は、同一の対象家族について介護休業を分割して取得する場合、介護休業を開始した日から通算して93日を限度に3回までに限り支給される。
  3. 育児休業期間中に事業主から休業開始時賃金日額に支給日数を乗じて得た額の80%相当額以上の賃金が支払われた場合、当該支給単位期間について、育児休業給付金は支給されない。
  4. 育児休業給付金は、保育所等に入所を希望しているが、空きがなく入所できない等の一定の要件を満たしている場合、所定の手続により、最長で子が3歳に達するまでの間、その支給期間を延長することができる。

正解 4

問題難易度
肢15.0%
肢210.0%
肢314.5%
肢470.5%

解説

  1. 適切。介護休業中に事業主から賃金が支払われていなければ、介護休業給付金の額は「休業開始時賃金日額×支給日数×67%」相当額(100分の67)となります(1カ月分=30日)。育児休業給付金と同様に、支払われた賃金が休業開始時賃金月額の80%以上の場合には支給停止されます(雇用保険法61条の4、同法附則12条)。
  2. 適切。介護休業給付金は、同じ対象家族について通算93日を限度に3回までの介護休業について支給されます。
  3. 適切。休業中に賃金が支払われていない場合の育児休業給付金の額は、育児休業開始から180日目までは「休業開始時賃金日額×支給日数×67%」、それ以降は「休業開始時賃金日額×支給日数×50%」となります(1カ月分=30日)。
    一方、休業期間中に事業主から賃金が支払われている場合には、以下のように支給調整があります。
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    支払われた賃金が「休業開始時賃金日額×支給日数」の80%以上の場合には全部が支給停止されます(雇用保険法61条の7第6項)。
  4. [不適切]。育児休業給付金の支給期間は原則として子が1歳(パパ・ママ育休プラスを利用すれば1歳2か月)に達する前日までです。ただし、保育所等の利用を希望し申込みを行っているものの1歳以後も当面入所できる見込みがないときは、最長で2歳に達するまで支給期間が延長されます。本肢は「3歳」としているため誤りです。
したがって不適切な記述は[4]です。