FP1級過去問題 2021年9月学科試験 問6
問6
中小企業退職金共済制度(以下、「中退共」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問において、事業主には同居の親族のみを使用する事業主等は含まないものとし、従業員には短時間労働者は含まないものとする。- 既に中退共に加入している事業主が、掛金月額が2万円未満である被共済者(従業員)の掛金を増額した場合、増額分の3分の1を増額月から1年間、国が助成する。
- 被共済者(従業員)が、加入後1年未満で退職し、掛金納付月数が12月に満たない場合、当該従業員に退職金は支給されず、掛金の全額が事業主に返還される。
- 退職金の額は、被共済者(従業員)に係る掛金月額および掛金納付月数に応じて定められている基本退職金に、運用収入の状況等に応じて決定される付加退職金を加えた額となる。
- 被共済者(従業員)の請求により、退職金の全部または一部を分割して受け取ることができるが、60歳未満で退職した場合は、退職金の額の多寡にかかわらず、分割払を選択することはできない。
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正解 2
問題難易度
肢123.9%
肢242.3%
肢39.5%
肢424.3%
肢242.3%
肢39.5%
肢424.3%
分野
科目:A.ライフプランニングと資金計画細目:6.企業年金・個人年金等
解説
- 適切。中退共に加入している事業主が、掛金月額18,000円以下※である従業員の掛金を増額する場合、増額した月から1年間、増額分の3分の1相当額について国の助成が受けられます(中退共法規則46条)。
※掛金月額は2,000円刻みで、18,000円の次は20,000円となっています。なので、18,000円以下と20,000円未満は同じ意味です。 - [不適切]。中退共では、掛金納付月数1年未満で退職した従業員には、退職金は支給されず、掛金も事業主に返還されません。また、1年以上2年未満の場合は掛金納付総額を下回る額になります(中退共法10条)。
- 適切。退職金の額は、退職者に係る掛金月額・掛金納付月数に応じて固定的に定められている基本退職金に、運用収入の状況等に応じて決定される付加退職金を加えた額となります(中退共法令別表第二)。
●退職金=基本退職金+付加退職金 - 適切。退職金は、基本的に退職時に一時払いで支払われますが、退職した日に60歳以上で退職金の額が80万円以上であれば5年間、60歳以上かつ150万円以上であれば10年間の全額分割払いを選択することができます。60歳未満で退職した場合は、退職金の額の多寡にかかわらず、分割払を選択することはできません(中退共法12条)。
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