FP1級過去問題 2021年9月学科試験 問18

問18

以下の表に記載されている割引債券の1年複利計算による単価(空欄①)と固定利付債券の単利計算による最終利回り(空欄②)の組合せとして、次のうち最も適切なものはどれか。なお、税金や手数料等は考慮せず、計算結果は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入すること。
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  1. ① 98.02  ② 0.56
  2. ① 98.02  ② 0.57
  3. ① 99.01  ② 0.56
  4. ① 99.01  ② 0.57

正解 1

問題難易度
肢159.6%
肢219.6%
肢316.1%
肢44.7%

解説

〔①について〕
割引債とは利子が支払われない代わりに、額面金額から一定額を割り引いた金額が発行価格となるもので、その現在価値は、将来価値(額面100円)に複利現価率を乗じたものとなります。つまり、購入単価、償還価格(100円)、利回り(r)、残存年数の間には次の関係が成り立ちます。

 購入単価×(1+r)残存年数=100円

割引債の穴埋め問題では、取得単価を求める問題と最終利回りを求める問題がありますが、どちらも上記の式で対応可能です。本問では購入単価(N)を求めたいので、

 N×(1+0.005)4=100
 N=100÷1.0054
 N≒100÷1.020150…
 N≒98.0247…
(小数点以下第3位を四捨五入)98.02
【参考】電卓の定数計算機能を用いると、(カシオの電卓の場合)[1.005]÷÷[100]====、(カシオ以外の電卓の場合)[100]÷[1.005]==== というように求めることができます。
〔②について〕
固定利付債券の最終利回りは次の式で求めます。
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表の値を式に代入すると、

 0.75+(100-100.9)/5100.9×100
0.75+(-0.18)100.9×100
0.57100.9×100=0.5649…%
(小数点以下第3位を四捨五入)0.56%

したがって[1]の組合せが正解です。