FP1級過去問題 2022年1月学科試験 問18(改題)
問18
ETF(上場投資信託)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、特定非課税累積投資契約に係る少額投資非課税制度を「NISA」といい、当該契約により設定される特定非課税管理勘定を「成長投資枠」という。- ETF(上場投資信託)は、上場株式と同様に、NISAの成長投資枠に受け入れることができる金融商品である。
- インバース型ETFは、原指標の変動率に一定の負の倍数を乗じて算出される指標に連動する運用成果を目指して運用される。
- ETFには、特定のファクターに注目した指標に連動するものがあり、代表的なファクターとして、配当金・分配金利回りの高い銘柄を選定する「高利回り」、価格変動リスクを最小化する銘柄を選定する「最小分散」がある。
- マーケットニュートラル指標に連動するETFは、株式市場の上昇による収益機会を増加させる効果が期待できるものの、株式市場が下落した場合は大きな損失を生じさせる可能性が高くなる。
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正解 4
問題難易度
肢19.1%
肢29.1%
肢312.9%
肢468.9%
肢29.1%
肢312.9%
肢468.9%
分野
科目:C.金融資産運用細目:3.投資信託
解説
- 適切。成長投資枠の対象となる金融商品は、上場株式・株式投資信託・ETF(上場投資信託)・REIT(不動産投資信託)などです。 これらの商品に投資して得られる売却益、配当金および分配金が非課税となります。
- 適切。インバース型のETFは、対象とする指標の日々の変動率に一定の「負の倍数」を乗じて算出される指数に連動することを目指して運用されます。簡単に言うと、対象となる指数と逆の値動きをするということです。ベア型ファンドは、原指標の変動率に一定の負の倍数を乗じて算出される指標に連動する運用成果を目指して運用される投資信託である。(2022.5-18-4)ダブルインバース型ETFは、変動率が原指標の変動率の2倍となるように設定された指標に連動する運用成果を目指して運用され、その変動率は原指標の変動率よりも大きくなる。(2019.9-17-2)
- 適切。ファクター型ETFは、市場インデックスをベンチマークとするのではなく、価格変動に大きく影響を与えると考えられている特定の要素(ファクター)に着目して生成したインデックスに連動するETFです。代表的なファクターに、高配当、バリュー、低リスク、最小分散、クオリティ、モメンタルなどがあります。
- [不適切]。マーケットニュートラル運用は、ある特定の指標に投資するとともに、市場全体に連動する指標を同額だけ売り建てることで、市場の変動に影響を受けないような運用成果を目指す運用手法です。市場全体の上昇局面では特定指標が市場全体よりも上昇した分だけ利益が得られ、市場全体の下落局面では特定指標が市場全体よりも下落しなかった分だけ利益を得られます。マーケットニュートラル指標に連動するETFでも、市場全体の上昇による収益機会は限定され、市場全体の下落による損失は低減される傾向があります。
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