FP1級過去問題 2022年5月学科試験 問5

問5

国民年金の学生納付特例制度(以下、「本制度」という)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 本制度は、国民年金の第1号被保険者で大学等の所定の学校に在籍する学生について、学生本人および扶養義務者の前年所得が一定額以下であれば、被保険者等からの申請に基づき、国民年金保険料の納付を猶予する制度である。
  2. 学生が在籍する大学が学生納付特例事務法人の指定を受けている場合に、学生が本制度に係る申請を当該大学に委託したときは、学生本人が住所地の市(区)町村の窓口または年金事務所に申請書を提出する必要はない。
  3. 本制度の承認を受けた期間の保険料は、10年以内であれば追納することができ、大学等を卒業等した翌年度から5年度目以内に保険料を追納すれば、承認を受けた当時の保険料額に経過期間に応じた加算額は上乗せされない。
  4. 会社員が勤務先を退職して大学院に入学した場合など、学生等の年齢が30歳以上であるときは、本制度を利用することができない。

正解 2

問題難易度
肢119.1%
肢256.8%
肢314.2%
肢49.9%

解説

  1. 不適切。学生納付特例制度は、大学(大学院)、短大、高等学校、高等専門学校、専修学校、各種学校に在籍する学生等で、本人の前年所得が基準以下の学生を対象に国民年金保険料の納付が猶予される制度です。扶養義務者の所得は関係なく、学生本人のみの所得が基準になります。
  2. [適切]。学生納付特例制度の原則的な申請先は市区町村や年金事務所ですが、在学している大学等が学生納付特例事務法人の指定を受けている場合は、学生は大学等を通じて申請をすることができます。申請の委託をした日に学生納付特例申請があったものとみなされるので、重ねて市区町村等に申請する必要はありません(国年法109条の2の2)。
  3. 不適切。学生納付特例制度にて猶予された国民年金保険料は、過去10年以内であれば遡って追納することができます。保険料の免除もしくは納付猶予を受けた期間の翌年度から起算して、3年度目以降に保険料を追納する場合には、承認を受けた当時の保険料額に経過期間に応じた加算額が上乗せされます。納期限から2年間は通常の納付期間内ですので利息はかかりません。
  4. 不適切。大学(大学院)、短期大学、高等学校、高等専門学校、特別支援学校、専修学校および各種学校等に在籍している20歳以上の学生であれば、本制度を利用できます。30歳以上でも利用できるので本肢は誤りです。
したがって適切な記述は[2]です。