FP1級過去問題 2022年5月学科試験 問10

問10

生命保険契約の各種手続等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 払済保険に変更した場合、元契約に付加されていた医療保障や介護保障等の各種特約は消滅するが、一般に、リビング・ニーズ特約や指定代理請求特約は消滅しない。
  2. X生命保険会社で加入する生命保険契約の積立部分や積立配当金を転換価格(下取部分)として、X生命保険会社以外の生命保険会社で取り扱う新たな生命保険契約に充当する場合、転換後の保険料は、転換利用時の保険料率が適用される。
  3. 契約者と被保険者が異なる生命保険契約において、保険期間中に死亡保険金受取人を変更する場合、契約者は被保険者の同意を得る必要がある。
  4. 定期保険の契約者である法人が生命保険会社から配当金を積み立てる通知を受けた場合、当該配当金について、雑収入としてその事業年度の益金の額に計上する。

正解 2

問題難易度
肢112.4%
肢249.8%
肢39.4%
肢428.4%

解説

  1. 適切。払済保険は、元契約と同じ種類の保険等の一時払契約に変更する方法で、その時点での解約返戻金を一時払保険料に充当します。一般的に保険期間は変わりませんが保険金額は小さくなり、リビング・ニーズ特約、指定代理請求特約、年金支払特約等は消滅しませんが、元契約に付加されていた医療保障や介護保障等の各種特約は消滅します。
    払済保険に変更した場合、予定利率は変更時点における予定利率が適用され、原則として、元契約に付加されていた特約は消滅するが、リビング・ニーズ特約は消滅しない。2024.9-11-2
    払済保険に変更した場合、予定利率は変更時点における予定利率が適用され、原則として、元契約に付加されていた特約は消滅するが、リビング・ニーズ特約は消滅しない。2023.5-11-1
  2. [不適切]。加入している生命保険契約の積立部分や積立配当金を転換価格(下取部分)として、新たに契約する保険契約の保険料に充当する方法を契約転換といいます。契約転換は、現在加入している保険会社で扱う保険契約にしか利用することができません。なお、後半の「転換後の保険料は転換時の年齢や保険料率で計算される」という記述は適切です。
  3. 適切。死亡保険契約の保険金受取人を変更する場合、被保険者の同意を得る必要があります。また、保険契約時に本人以外の者を被保険者とする場合、被保険者の同意がないと保険契約は無効となります。
  4. 適切。契約者が法人で、保険料を損金処理している定期保険の配当金を受け取る場合、受け取る配当金は、雑収入としてその通知を受けた日の属する事業年度の益金の額に計上します。
したがって不適切な記述は[2]です。