FP1級過去問題 2022年5月学科試験 問43
問43
贈与税の配偶者控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、各選択肢において、贈与の年においてほかに贈与された財産はなく、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。- 配偶者から居住用不動産の贈与を受けた者が贈与税の配偶者控除の適用を受けるためには、当該配偶者との婚姻期間が贈与を受けた日の属する年の1月1日において20年以上でなければならない。
- 夫が所有する居住用家屋およびその敷地の用に供されている土地のうち、妻が土地のみを贈与により取得した場合、妻は贈与税の配偶者控除の適用を受けることができない。
- 夫から妻に対して、店舗併用住宅(相続税評価額6,000万円、店舗部分60%、居住用部分40%)の3分の1の持分の贈与が行われ、妻が贈与税の配偶者控除の適用を受けた場合、課税価格は算出されず、贈与税は課されない。
- 夫から妻に対して、居住用不動産(相続税評価額2,500万円)の贈与が行われ、妻が贈与税の配偶者控除の適用を受けた年の翌年に夫が死亡した場合、夫の相続により財産を取得した妻の相続税の課税価格に390万円が加算される。
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正解 3
問題難易度
肢115.0%
肢22.8%
肢367.2%
肢415.0%
肢22.8%
肢367.2%
肢415.0%
分野
科目:F.相続・事業承継細目:2.贈与と税金
解説
- 不適切。贈与税の配偶者控除の適用を受けるためには、贈与日において贈与者との婚姻期間が20年以上である必要があります(相続税法令4条の6)。
- 不適切。贈与税の配偶者控除で対象となる居住用不動産は、専ら居住の用に供する土地もしくは土地の上に存する権利または家屋で国内にあるものをいいます。よって、家屋の敷地のみの贈与を受けた場合も適用を受けることができます(相基通21の6-1)。
- [適切]。店舗併用住宅の場合、贈与税の配偶者控除の適用を受けられるのは居住用部分のみです。店舗併用住宅の持分の贈与を受けた場合、居住用部分から優先的に贈与を受けたものとして取り扱います。したがって受贈額は「6,000万円×1/3=2,000万円」となり、贈与税の配偶者控除は最高で2,000万円まで適用されるため、他の贈与を受けていないのであれば贈与税額は算出されません。
- 不適切。贈与税の配偶者控除で控除された部分は、相続開始前7年以内の生前贈与加算の対象とはなりません。一方、基礎控除で控除された部分は相続税の課税価格に加えなくてはなりません。したがって、相続税の課税価格に算入するのは「2,500万円-2,000万円=500万円」となります。
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