FP1級過去問題 2022年9月学科試験 問8

問8

住宅金融支援機構のフラット35およびリ・バース60に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. フラット35地域連携型には、フラット35地域連携型(子育て支援)とフラット35地域連携型(地域活性化)があり、利用するためには、住宅金融支援機構と連携する地方公共団体から、「フラット35地域連携型利用対象証明書」の交付を受ける必要がある。
  2. フラット35維持保全型は当初5年間、フラット35の借入金利が引き下げられるが、フラット35Sと併用することはできない。
  3. 長期優良住宅でない住宅のリフォーム資金としてリ・バース60を利用する場合、債務者および連帯債務者が満60歳以上であれば、その融資限度額は、取扱金融機関にかかわらず「8,000万円」「住宅のリフォーム費用」「担保評価額(住宅および土地)の60%」のうち、最も低い額となる。
  4. リ・バース60は、取扱金融機関にかかわらず申込者が生存中は毎月の返済は利息のみであり、申込者の死亡時における残債務については、担保物件の相続人が現金によって一括返済しなければならない。

正解 1

問題難易度
肢153.6%
肢212.3%
肢318.5%
肢415.6%

解説

  1. [適切]。フラット35地域連携型は、子育て世帯や地方移住者等に対する積極的な取組を行う地方公共団体と住宅金融支援機構が連携して、地方公共団体の補助金交付などの財政的支援とあわせて、借入金利を一定期間引き下げる制度です(2022年4月開始)。本制度を利用するためには、フラット35の技術基準や融資基準を満たすほか、地方公共団体から「フラット35地域連携型利用対象証明書」の交付を受ける必要があります。
  2. 不適切。フラット35維持保全型とは、維持保全・維持管理に配慮した住宅や既存住宅の流通に資する住宅を取得する場合に借入金利を一定期間引き下げる制度です(2022年4月開始)。維持保全型に該当する住宅としては、長期優良住宅、予備認定マンション、管理計画認定マンション、安心R住宅、インスペクション実施住宅、既存住宅売買瑕疵保険付保住宅の6種類があります。
    フラット35維持保全型は、フラット35Sのほかに、フラット35地域連携型及びフラット35地方移住支援型と併用することができます。
    08.png./image-size:545×392
    フラット35地域連携型を利用した場合、当初10年間、フラット35の借入金利から0.35%引き下げられる。2022.1-8-2
  3. 不適切。リフォーム資金としてリ・バース60を利用する場合、①8,000万円、②住宅のリフォーム費用、③担保物件評価額の50%または60%のうち、最も低い額が融資限度額となります。③の評価率は50%または60%で、取扱金融機関によって異なるので本肢は誤りです。なお③の評価率は、長期優良住宅の場合には55%または65%、50歳以上60歳未満の人への融資の場合には30%となります。
    長期優良住宅でない住宅のリフォーム資金としてリ・バース60を利用する債務者および連帯債務者が満60歳以上である場合、その融資限度額は、「8,000万円」「住宅のリフォーム費用」「担保物件の評価額の50%または60%」のうち、最も低い額となる。2019.5-8-3
  4. 不適切。リ・バース60は、原則60歳以上の人を対象として、契約者が亡くなったときに相続人が一括で返済する(リコース型)か住宅を売却して返済する(ノンリコース型)条件を付けることで、毎月の支払いを利息のみに抑えた住宅ローン商品です。担保物件の売却によって返済するノンリコース型も選択可能なので本肢は誤りです。ほとんどの方がノンリコース型を選択しています。
    リ・バース60の返済方法は、申込者が生存中は毎月一定額未満に据え置かれた元利金を返済し、申込者の死亡時における残債務については、申込者の相続人による一括返済か、担保物件の売却による一括返済となる。2019.5-8-4
したがって適切な記述は[1]です。