FP1級過去問題 2022年9月学科試験 問9

問9

保険業法に定める保険契約の申込みの撤回等(クーリング・オフ制度)に関する次の記述のうち、適切なものはいくつあるか。なお、各選択肢において、申込者は個人であり、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
  1. 保険会社が指定する医師による診査が終了して生命保険契約を申し込んだ場合や健康診断書を提出して生命保険契約を申し込んだ場合、クーリング・オフ制度により当該生命保険契約の申込みの撤回等をすることができない。
  2. 既に加入している生命保険契約の特約の更新手続を行った場合、クーリング・オフ制度により当該生命保険契約の特約の更新手続の撤回等をすることができる。
  3. 保険期間5年の火災保険契約を申し込んだ場合、クーリング・オフ制度により当該火災保険契約の申込みの撤回等をすることができない。
  1. 1つ
  2. 2つ
  3. 3つ
  4. 0(なし)

正解 4

問題難易度
肢140.1%
肢220.8%
肢33.0%
肢436.1%

解説

保険契約のクーリング・オフが適用されない主なケースは以下の通りです。
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  1. 不適切。保険会社が指定する医師の診査を成立の条件とする保険契約を申込み、その医師の診査が終了したときは、診査までに十分な熟慮期間があるためクーリング・オフの適用外となります(保険業法令45条5号)。しかし、健康診断書の提出である場合にはクーリング・オフの適用対象となります。
    個人が、加入している生命保険契約を転換して新たな生命保険契約を締結した場合、クーリング・オフ制度による当該保険契約の転換の申込みの撤回等をすることはできない。2025.1-10-2
    個人が、既に加入している生命保険契約を転換して新たな生命保険契約を締結した場合、その者は、一定期間内であれば、クーリング・オフ制度により転換による保険契約の申込みの撤回等をすることができる。2020.9-9-3
    生命保険契約の契約者である個人が加入している生命保険契約を転換して新たな生命保険契約を締結した場合、その者は、クーリング・オフ制度により転換による保険契約の申込みの撤回等をすることができる。2017.9-10-4
  2. 不適切。現在加入している契約について、保険金額や保険期間の更改、更新、保険金額や保険期間その他の内容を変更する契約には、クーリング・オフの適用がありません(保険業法令45条8号)。
    個人が、加入している生命保険契約を更新した場合、クーリング・オフ制度による当該保険契約の更新の申込みの撤回等をすることができる。2025.1-10-3
    個人が、既に加入している生命保険契約を更新した場合、その者は、クーリング・オフ制度により当該生命保険契約の更新の申込みの撤回等をすることができる。2021.9-9-3
    個人が、既に加入している生命保険契約の保険金額を増額した場合、その者は、一定期間内であれば、クーリング・オフ制度により保険金額の増額の申込みの撤回等をすることができる。2020.9-9-2
    生命保険契約の契約者である個人が加入している生命保険契約を更新した場合、その者は、クーリング・オフ制度により保険契約の更新の申込みの撤回等をすることはできない。2017.9-10-3
  3. 不適切。クーリング・オフが適用されないのは、保険分野にかかわらず保険期間が1年以下の保険です。本肢は1年超なので申込みの撤回等をすることができます(保険業法309条1項4号)。
    個人が、保険期間1年の火災保険契約の申込みをした場合、クーリング・オフ制度による当該保険契約の申込みの撤回等をすることはできない。2025.1-10-1
    個人が、団体信用生命保険に加入の申込みをした場合、その者は、クーリング・オフ制度により当該生命保険契約の申込みの撤回等をすることができる。2021.9-9-2
    保険期間1年の火災保険契約の場合、申込者(保険契約者)が個人であるときは、クーリング・オフ制度により、保険契約の申込みの撤回等をすることができる。2015.1-9-4
したがって適切なものは「0(なし)」です。