FP1級過去問題 2022年9月学科試験 問19

問19

2022年4月4日以後の東京証券取引所の市場区分と株価指数等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 東証プライム市場指数、東証スタンダード市場指数、東証グロース市場指数は、いずれも基準日を「2022年4月1日」、基準値を「1,000」とする時価総額加重方式の株価指数である。
  2. プライム市場は、多くの機関投資家の投資対象になりうる規模の時価総額(流動性)を持ち、より高いガバナンス水準を備え、投資者との建設的な対話を中心に据えて持続的な成長と中長期的な企業価値の向上にコミットする企業向けの市場とされている。
  3. プライム市場の上場維持基準として定められた流動性の水準は、株主数800人以上、流通株式数10,000単位以上、流通株式時価総額50億円以上、1日平均売買代金0.2億円以上である。
  4. 選択先の市場区分の上場維持基準を満たしていない上場会社は、上場維持基準の適合に向けた計画およびその進捗状況を提出し、改善に向けた取組みを図ることで、当分の間、経過措置として緩和された上場維持基準が適用される。

正解 3

問題難易度
肢122.1%
肢28.9%
肢361.9%
肢47.1%

解説

  1. 適切。東証プライム市場指数、東証スタンダード市場指数、東証グロース市場指数は、それぞれに上場する内国普通株式全銘柄を構成銘柄とする時価総額加重方式の株価指数で、いずれも2022年4月1日時点を1,000として算出されます。
  2. 適切。プライム市場、スタンダード市場、グロース市場それぞれのコンセプトは以下の通りです。
    プライム市場
    多くの機関投資家の投資対象になりうる規模の時価総額(流動性)を持ち、より高いガバナンス水準を備え、投資者との建設的な対話を中心に据えて持続的な成長と中長期的な企業価値の向上にコミットする企業向けの市場
    スタンダード市場
    公開された市場における投資対象として一定の時価総額(流動性)を持ち、上場企業としての基本的なガバナンス水準を備えつつ、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上にコミットする企業向けの市場
    グロース市場
    高い成長可能性を実現するための事業計画及びその進捗の適時・適切な開示が行われ一定の市場評価が得られる一方、事業実績の観点から相対的にリスクが高い企業向けの市場
  3. [不適切]。プライム市場、スタンダード市場、グロース市場それぞれの上場維持基準のうち流動性の基準は以下の通りです。プライム市場では流通株式時価総額が100億円以上であることが必要ですが、本肢は50億円以上としているので誤りです。
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  4. 適切。市場区分改編の円滑な移行のための措置として、上場維持基準を満たしていない上場会社は「上場維持基準の適合に向けた計画書」を開示し、年1回以上の頻度でその進捗状況を開示することで、当分の間、上場維持基準の適用を猶予されることになっています。
したがって不適切な記述は[3]です。