FP1級 2022年9月 応用編 問54
Aさん(35歳)は、資産形成のために投資信託Yと投資信託Zについて長期保有するつもりで投資しており、さらに余裕資金を活用して上場株式への投資を検討している。
Aさんは、東京証券取引所に上場している同業種のW社とX社について、〈W社とX社の財務データ〉を参考にして投資判断を行うつもりであるが、上場株式への投資にあたり、株式取引の基本的な仕組みを確認しておきたいと思っている。
また、保有している投資信託について、〈直近1年間の投資信託Yと投資信託Zに関するデータ〉によるパフォーマンス評価を知りたいと思っている。なお、Aさんが保有する投資信託は、いずれも日経平均株価をベンチマークとするアクティブ運用の投資信託である。
そこで、Aさんは、ファイナンシャル・プランナーのMさんに相談することにした。
〈W社とX社の財務データ〉(単位:百万円)
〈直近1年間の投資信託Yと投資信託Zに関するデータ〉
Aさんは、東京証券取引所に上場している同業種のW社とX社について、〈W社とX社の財務データ〉を参考にして投資判断を行うつもりであるが、上場株式への投資にあたり、株式取引の基本的な仕組みを確認しておきたいと思っている。
また、保有している投資信託について、〈直近1年間の投資信託Yと投資信託Zに関するデータ〉によるパフォーマンス評価を知りたいと思っている。なお、Aさんが保有する投資信託は、いずれも日経平均株価をベンチマークとするアクティブ運用の投資信託である。
そこで、Aさんは、ファイナンシャル・プランナーのMさんに相談することにした。
〈W社とX社の財務データ〉(単位:百万円)
〈直近1年間の投資信託Yと投資信託Zに関するデータ〉
- 投資信託Yおよび投資信託Zは、日経平均株価をベンチマークとするアクティブ運用の投資信託である。
- 上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。
問54
Mさんは、Aさんに対して、東京証券取引所における株式取引について説明した。Mさんが説明した以下の文章の空欄①~⑥に入る最も適切な語句または数値を、解答用紙に記入しなさい。なお、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。「東京証券取引所に上場している内国株式を普通取引により売買する場合、売買が成立した日(約定日)から起算して(①)営業日目に決済されます。
注文方法には(②)注文や指値注文があり、前者は希望する売買価格を明示せず、希望する銘柄、売り買いの別および数量を指定して注文する方法です。
売買立会による売買は、競争売買により行われ、価格優先の原則と時間優先の原則に従って連続的に売買が成立していきます。(③)方式は、始値が決定された後に、立会時間中、継続して個別に行われる売買契約の締結方法で、(③)とは、寄付きと引けの間の時間のことをいいます。
売手と買手の指値を気配値といい、この気配値の売買注文状況を並べたものを板といいます。例えば、〈資料〉甲株の板の例のように、甲株の約定値段(板中心値段)が100円で、❶から❸の順に指値の売注文が発注された場合、その後、103円の指値の買注文300株が発注されると、最初に(④)円の売注文と約定し、買注文の残数量は200株となります。この買注文は、次に□□□円の売注文と約定します。買注文の残数量が100株となりますが、これは板にある最も安い値段の売注文である(⑤)円よりも安い値段であるため約定せず、103円の買注文100株が板に残ることになります。
上場株式の配当は、権利確定日時点で株主名簿に登録されている株主に対して支払われます。そのため、権利確定日を過ぎてから株主名簿に登録された株主は、その権利確定日にかかる期の配当を受け取ることができません。配当を受け取るためには、株式の発行会社が定めている権利確定日の(⑥)営業日前である権利付最終日までに株式を購入する必要があります」
①営業日 |
②注文 |
③ |
④円 |
⑤円 |
⑥営業日 |
正解
① 3(営業日) |
② 成行(注文) |
③ ザラバ |
④ 100(円) |
⑤ 104(円) |
⑥ 2(営業日) |
分野
科目:C.金融資産運用細目:5.株式投資
解説
〔①について〕
国内上場株式を普通取引で売買した場合、買い注文や売り注文が成立した日(約定日)から起算して3営業日後に受渡し(決済)が行われます。
よって、正解は3(営業日)となります。
〔②について〕
株式売買の注文方法には「成行注文」と「指値注文」があります。希望する売買価格を明示しないのは成行注文です。
〔③について〕
株式市場における売買価格の決まり方として「ザラバ方式」と「板寄せ方式」があります。ザラバ方式は、成行優先や価格優先などの原則に従って価格が決まる方式で、取引開始時(寄付き:よりつき)で始値が決定してから取引時間中の最後の取引(引け)までの時間に用いられます。これに対して、板寄せ方式は、多くの注文が交錯する寄付きや引けで始値や終値を決定する際に用いられます。
よって、正解はザラバとなります。
〔④、⑤について〕
甲株の板の状態で103円で300株の買い注文があった場合、板に出ている103円以下の売り注文のうち安いほうから順に約定します。まず、❸の100円100株の売り注文と約定し、その後❷102円100株の売り注文と約定します。❶104円100株の売り注文は、指値の103円よりも高いため約定しません。このため、残り100株分の買い注文と104円の売り注文は板に残ることになります。
よって、④は100(円)、⑤は104(円)が正解となります。
〔⑥について〕
国内上場株式を普通取引で売買した場合、買い注文や売り注文が成立した日(約定日)から起算して3営業日後に受渡し(決済)が行われます。このため、権利確定日の2営業日前の日が権利付最終日になります(権利確定日から起算すれば3営業日前)。
よって、正解は2(営業日)となります。
国内上場株式を普通取引で売買した場合、買い注文や売り注文が成立した日(約定日)から起算して3営業日後に受渡し(決済)が行われます。
よって、正解は3(営業日)となります。
〔②について〕
株式売買の注文方法には「成行注文」と「指値注文」があります。希望する売買価格を明示しないのは成行注文です。
- 成行注文
- 売買価格を明示しないで注文する方法。そのときの最も低い売り(買い)注文と売買が成立する
- 指値注文
- 自分が買いたい(売りたい)価格を指定して注文する方法。指定価格よりも不利な条件の売買は成立しない
〔③について〕
株式市場における売買価格の決まり方として「ザラバ方式」と「板寄せ方式」があります。ザラバ方式は、成行優先や価格優先などの原則に従って価格が決まる方式で、取引開始時(寄付き:よりつき)で始値が決定してから取引時間中の最後の取引(引け)までの時間に用いられます。これに対して、板寄せ方式は、多くの注文が交錯する寄付きや引けで始値や終値を決定する際に用いられます。
よって、正解はザラバとなります。
〔④、⑤について〕
甲株の板の状態で103円で300株の買い注文があった場合、板に出ている103円以下の売り注文のうち安いほうから順に約定します。まず、❸の100円100株の売り注文と約定し、その後❷102円100株の売り注文と約定します。❶104円100株の売り注文は、指値の103円よりも高いため約定しません。このため、残り100株分の買い注文と104円の売り注文は板に残ることになります。
よって、④は100(円)、⑤は104(円)が正解となります。
〔⑥について〕
国内上場株式を普通取引で売買した場合、買い注文や売り注文が成立した日(約定日)から起算して3営業日後に受渡し(決済)が行われます。このため、権利確定日の2営業日前の日が権利付最終日になります(権利確定日から起算すれば3営業日前)。
よって、正解は2(営業日)となります。
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