FP1級過去問題 2023年1月学科試験 問19

問19

外貨建商品等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 外国為替証拠金取引において、投資家の建玉に係る評価損の額が、外国為替証拠金取引を取り扱う金融商品取引業者の定めた水準に達した場合、建玉は強制的に決済されて取引が終了するため、証拠金の額を上回る損失が生じることはない。
  2. 外貨建MMFは、一般に外貨預金と比べて為替手数料が安く、購入時手数料および解約手数料は不要であるが、買付後30日以内に解約する場合、所定の信託財産留保額が差し引かれる。
  3. 外国株式の海外委託取引(外国取引)は、国外の株式市場に上場している外国株式について、投資家の注文を国内の証券会社が国外の証券取引所に取り次いで売買する取引であり、指値注文をすることができる。
  4. 米国株式信用取引は、米国の株式市場に上場している株式を対象としており、品貸料、返済期限等は、証券取引所の規則で定められている制度信用取引である。

正解 3

問題難易度
肢15.8%
肢218.4%
肢355.4%
肢420.4%

解説

  1. 不適切。外国為替証拠金取引(FX)は、証拠金を担保として預けるので、評価損が一定の額以上になると強制決済されるロスカットが設けられていますが、相場急変時などでロスカットが間に合わず、証拠金の額を上回る損失が生じる場合があります。
  2. 不適切。外貨建てMMFは、外貨建ての高格付の公社債や短期の金融商品(CP:コマーシャルペーパー)を投資対象とする投資信託です。円貨で取引をする際には為替手数料がかかるものの、一般的に売買手数料が無料なので、購入・換金時の申込手数料や信託財産留保額を負担する必要はありません。買付後30日以内の解約で信託財産留保額が発生するのは、国内MMFです。
  3. [適切]。外国株式の海外委託取引(外国取引)は、国外市場の外国株式について投資家から受けた注文を、国内の証券会社が国外の取引所に取り次ぐことで行うもので、国外市場の外国証券を購入する方法としては最も一般的です。国内株式と同様に、指値注文することができます。他の方法としては、証券会社が相手方となり取引所を通さずに投資家と直接売買する国内店頭取引があります。
  4. 不適切。外国株信用取引は、アメリカ合衆国の適格外国金融商品市場に上場している米国株券等を対象とする信用取引です(2022年7月解禁)。国内の一般信用取引と同様に、顧客と証券会社との間で金利や返済期間を自由に決定することができます。
したがって適切な記述は[3]です。