FP1級過去問題 2023年1月学科試験 問38

問38

道路に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、特定行政庁が指定する幅員6mの区域ではないものとし、地下における道路を除くものとする。
  1. 不動産業者が都市計画法の開発許可を受けて宅地開発を行う際に築造された幅員4m以上の道路は、特定行政庁の指定がなくても建築基準法上の道路となる。
  2. 土地を建築物の敷地として利用するために道路法等の法令によらないで築造された幅員4m以上の道のうち、特定行政庁が位置の指定をしたものは、建築基準法上の道路(位置指定道路)となり、当該道路が所在する市区町村が維持管理を行わなければならない。
  3. 建築基準法の集団規定が適用された際に、現に建築物が立ち並んでいる幅員4m未満の道で、特定行政庁が指定したものは、建築基準法上の道路となり、原則として、その中心線からの水平距離2mの線が当該道路の境界線とみなされる。
  4. 相続財産の評価において、専ら特定の者が通行する私道の用に供されている宅地の価額は、その宅地が私道でないものとして路線価方式または倍率方式によって評価した価額の30%相当額で評価する。

正解 2

問題難易度
肢119.6%
肢232.4%
肢310.8%
肢437.2%

解説

  1. 適切。都市計画法、土地区画整理法、都市再開発法等に基づく開発等で築造された幅員4m以上の道路は、建築基準法上の道路となります(建築基準法42条1項2号)。
    都市計画法の開発許可を受けて築造された道路で、幅員4m以上のものは、特定行政庁の指定がなくても、建築基準法上の道路となる。2015.9-37-1
    道路法、都市計画法などによる新設または変更の事業計画がある道路で、2年以内に事業執行の予定があるものとして特定行政庁が指定した道路は、建築基準法上の道路となる。2015.1-38-2
  2. [不適切]。維持管理は位置指定道路の所有者が行うので誤りです。位置指定道路とは、土地を建築物の敷地として利用するため法律によらないで築造する道で、一定の技術基準に適合し、築造しようとする者が特定行政庁からその位置の指定を受けたものを言います(建築基準法42条1項5号)。
  3. 適切。都市計画区域や準都市計画区域が指定されたことにより、または条例の制定や改正により建築基準法の集団規定が適用されるようになったとき、現に建築物が立ち並んでいる幅員4m未満の道で、特定行政庁が指定したものは建築基準法上の道路となります。この幅員4m未満の道路は2項道路といわれ、その道路の中心線から水平距離2mの線をその道路の境界線とみなします。
    建築基準法の集団規定が適用された際に、現に建築物が立ち並んでいる幅員4m未満の道で、特定行政庁が指定したものについては、建築基準法上の道路となり、その中心線からの水平距離で4m後退した線が当該道路の境界線とみなされる。2024.1-36-2
    建築基準法施行後に都市計画区域に編入された時点で、現に建築物が立ち並んでいる幅員4m未満の道で、特定行政庁が指定したものは建築基準法上の道路となり、原則として、当該建築物の敷地との境界部分が、その道路の境界線とみなされる。2022.1-37-3
    建築物の敷地が建築基準法第42条第2項により特定行政庁の指定を受けた道路に接する場合、原則として、敷地と接する境界線から敷地の側に水平距離2m後退した線が、当該道路の境界線とみなされる。2019.9-38-4
    建築基準法の集団規定が適用された際に、現に建築物が建ち並んでいる幅員4m未満の道で、特定行政庁が指定したものについては、建築基準法上の道路となり、当該建築物の敷地との境界部分が当該道路の境界線とみなされる。2015.9-37-3
    建築基準法の集団規定が適用された際に、現に建築物が建ち並んでいる幅員4m未満の道は、特定行政庁の指定がなくても、建築基準法上の道路とみなされる。2015.1-38-1
  4. 適切。私道に供されている宅地のうち、袋小路のように専ら特定の者の通行の用に供されている部分の価額は、その宅地が私道でないものとして評価した価額の30%相当額で評価します。なお、私道が不特定多数の者の通行の用に供されているときは評価額はゼロとなります(評基通24)。
したがって不適切な記述は[2]です。