FP1級過去問題 2023年1月学科試験 問39

問39

固定資産税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
  1. 「住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例」の適用を受けている土地上にある自己の居住の用に供している家屋を、2023年12月から賃貸して第三者が居住した場合、その土地は2024年度分から当該特例の対象外となる。
  2. 店舗併用住宅の床面積が200㎡(うち居住部分の床面積は100㎡)で、その敷地である土地の面積が200㎡である場合、「住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例」の対象となる土地の面積は200㎡である。
  3. 「住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例」の適用を受けている土地上の家屋が、倒壊等のおそれがある状態となったことで特定空家等に該当し、その空き家の所有者が市町村から改善の勧告を受けた場合、その所有者が賦課期日(1月1日)までに必要な改善措置を講じなかったときは、その年度分から当該特例の対象外となる。
  4. 2023年10月に3階建ての中高層耐火建築物である賃貸マンション(認定長期優良住宅に該当しない)を新築して賃貸し、「新築された住宅に対する固定資産税の減額」の適用を受けた場合、2024年度分から2028年度分まで、その賃貸マンションに係る固定資産税額が減額される。

正解 1

問題難易度
肢138.0%
肢234.0%
肢314.0%
肢414.0%

解説

  1. [不適切]。固定資産税における住宅用地の課税標準の特例は、全部または一部が人の居住用である家屋の敷地であれば適用を受けることができます。よって、賃貸住宅の敷地も本特例の適用対象となります。
    ※1戸当たり200㎡以下の部分の課税標準が6分の1になるものです。
    「住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例」は、自己の居住用住宅の敷地である宅地に適用することができるものであり、賃貸アパート等の敷地である宅地には適用することはできない。2023.5-39-2
    「住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例」は、自己の居住用住宅の敷地である宅地に適用されるため、賃貸マンション等の自己の居住用住宅以外の住宅の敷地である宅地については適用されない。2022.1-39-2
    「住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例」は、自己の居住用住宅の敷地である宅地にのみ適用されるため、賃貸アパート等の敷地である宅地については適用されない。2014.9-39-2
  2. 適切。店舗併用住宅の場合、原則として居住部分の床面積割合が4分の1以上であれば本特例の適用を受けることができます。店舗併用住宅では適用面積の調整があり、居住部分の割合が2分の1以上であれば100%、4分の1以上2分の1未満であれば50%の部分が特例の対象となる土地面積となります(5階建て以上のマンション等を除く)。本肢の場合、居住部分の割合が「100㎡÷200㎡=2分の1」のため、敷地面積の100%にあたる200㎡について本特例の適用を受けることができます。
  3. 適切。空家等対策の推進に関する特別措置法に基づき、市町村長は、空き家の適正管理をしない所有者等に対して、除却、修繕、立木竹の伐採等に関して助言、指導、勧告といった行政指導ができます。この勧告を受けた特定空家等の敷地は、勧告を受けた翌年度から本特例の適用対象外となります。これにより最高6倍の固定資産税が課されることとなります。
  4. 適切。新築住宅に対する固定資産税の減額の適用を受ける場合、原則として3年間(認定長期優良住宅である場合は5年間)にわたり固定資産税が減額されますが、3階建て以上の中高層耐火建築物については適用期間が5年間(認定長期優良住宅である場合は7年間)に延びます。本肢は、認定長期優良住宅ではない3階建ての中高層耐火建築物なので、適用期間は5年間となります。
    ※新築住宅の一戸当たり床面積120㎡以下の部分の固定資産税額が2分の1になるというものです。
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したがって不適切な記述は[1]です。