FP1級過去問題 2023年5月学科試験 問12

問12

総合福祉団体定期保険の一般的な特徴に関する次の記述のうち、適切なものはいくつあるか。
  1. 総合福祉団体定期保険の保険期間は1年から5年であり、保険期間が長いほど、毎年の保険料は割安となる。
  2. 総合福祉団体定期保険の保険料率は、被保険者の年齢に応じて保険料が算出される「年齢群団別保険料率」が適用されるため、被保険者の年齢に関係なく同一の保険料となる「平均保険料率」に比べて割安となる。
  3. ヒューマン・ヴァリュー特約を付加するためには、被保険者になる者の署名、押印のある個々の同意書および医師の診査が必要となる。
  1. 1つ
  2. 2つ
  3. 3つ
  4. 0(なし)

正解 4

問題難易度
肢131.6%
肢221.1%
肢34.5%
肢442.8%

解説

  1. 不適切。総合福祉団体定期保険は、役員・従業員を被保険者とする死亡または高度障害に対する1年更新型の定期保険です。複数年の保険期間を定めることはできません。
  2. 不適切。団体生命保険では、5歳刻みの年齢区分ごとに保険料率が決まる「年齢群団別保険料率」と、被保険者の属性に関係なく一律の保険料率となる「平均保険料率」があります。総合福祉団体定期保険(Aグループ保険)では、被保険者個々ではなく、被保険者全体を一括してリスクの度合いを算定するので「平均保険料率」を使います。なお「年齢群団別保険料率」は団体定期保険(Bグループ保険)で使われる保険料率です。
  3. 不適切。ヒューマン・ヴァリュー特約では、加入に当たって被保険者になる者の署名・押印による同意書が必要となりますが、医師の診査は不要です。
    【参考】総合福祉団体定期保険では、加入者が多数であることや、入退社による被保険者の変動があることにより、個々の被保険者の同意を得ることが困難であることから、実務上は全員の同意に代えて加入予定者全員に対して契約内容を通知し、不同意の申出があった者のみが除外されるという通知文書方式が認められています。ヒューマン・ヴァリュー特約は、総合福祉団体定期保険と異なり、従業員が死亡等した場合の保険金が会社に入るという性質より、事業主の労働安全衛生への安易な姿勢を生み、過労死の助長するなどの弊害が案じられます。このため、ヒューマン・ヴァリュー特約を付加する当たっては、手続きを厳格化し、被保険者となる者の書面・押印による同意書面が個別に必要とされています。
したがって適切なものは「0(なし)」です。