FP1級過去問題 2024年5月学科試験 問2

問2

70歳以上75歳未満の健康保険の被保険者が療養の給付を受けた場合における一部負担金の割合に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、各選択肢において、生活保護法による医療扶助は受けていないものとする。
  1. 国民健康保険の被保険者は、当該被保険者の属する世帯に属する他の国民健康保険の被保険者の所得の額の多寡にかかわらず、一部負担金の割合は2割となる。
  2. 国民健康保険の被保険者である単身者が住民税非課税世帯に該当する場合、一部負担金の割合は1割となる。
  3. 全国健康保険協会管掌健康保険の被保険者である単身者の標準報酬月額が28万円以上である場合、当該被保険者の収入の額の多寡にかかわらず、一部負担金の割合は3割となる。
  4. 全国健康保険協会管掌健康保険の被保険者である単身者の標準報酬月額が28万円未満である場合、一部負担金の割合は2割となる。

正解 4

問題難易度
肢17.2%
肢231.7%
肢321.8%
肢439.3%

解説

医療保険制度で療養の給付を受ける場合の一部負担金の割合は、給付を受ける人の年齢に応じて次のようになっています。
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  1. 不適切。国民健康保険における70歳以上75歳未満の者の一部負担金の割合は、原則として2割ですが、世帯内に前年所得145万円以上である70歳以上75歳未満の被保険者がいる場合には、3割負担となります。ただし、前年の収入金額の合計が520万円未満の者は除かれます。したがって、他の世帯員の所得が多ければ3割負担となることがあります(国保法42条・国保法令27条の2)。
  2. 不適切。住民税非課税世帯に該当する場合であっても、70歳以上75歳未満の人の一部負担金の割合は原則どおり2割です。
  3. 不適切。健康保険における70歳以上75歳未満の者の一部負担金の割合は、原則として2割ですが、療養の給付を受ける月の標準報酬月額が28万円以上である被保険者とその被扶養者(70歳以上75歳未満に限る、以下同じ)は、3割負担となります。ただし、被保険者とその被扶養者の前年の収入金額の合計が520万円(被扶養者がない者は383万円)未満である者は除かれます。したがって、標準報酬月額が28万円以上であっても、前年の収入金額が少なければ2割負担となることがあります(健保法74条・健保法令34条)。
  4. [適切]。70歳以上75歳未満の者の一部負担金の割合は、原則として2割で、一定以上の所得がある人は3割です。3割負担となり得るのは標準報酬月額が28万円以上の人なので、28万円未満であれば例外なく2割負担となります。
したがって適切な記述は[4]です。