FP1級過去問題 2024年9月学科試験 問17

問17

金投資に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、取引は国内の証券会社等を通じて行われるものとする。
  1. 国内の金融商品取引所において金先物取引を行う場合、金標準先物の取引単位は1キログラムであり、金ミニ先物の取引単位は100グラムである。
  2. 国内の金融商品取引所における金ミニ先物は現金決済先物取引であり、先物取引の期限が到来した場合でも金現物の受渡しを行うことなく、最終清算数値と約定価格との差額による差金の授受で取引が終了する。
  3. 金地金は、通常、その購入時に消費税が課されるが、売却時には売却価格に消費税が上乗せされた金額を受け取ることになる。
  4. 金地金を売却したことによる譲渡所得は、譲渡した日の属する年の1月1日における所有期間が5年以下である場合、短期譲渡所得として総合課税の対象となる。

正解 4

問題難易度
肢118.4%
肢216.2%
肢314.5%
肢450.9%

解説

  1. 適切。金先物取引は純度99.99%以上の金地金を原資産として行われる先物取引です。金標準先物、金ミニ先物、金限日先物、金オプション先物の4種類があります。金標準先物での取引単位は1kg、金ミニ先物での取引単位は100gとなっています。
  2. 適切。金ミニ先物は、最終決済方法が差金決済である現金決済先物取引です。取引最終日までに決済しなかった場合、最終清算数値で差金決済が行われるため現物の受渡しはありません。一方、金標準先物は、最終決済方法が受渡決済である現物先物取引です。
  3. 適切。金地金を購入するときには消費税が課されますが、反対に換金のときには売却価格に消費税が上乗せされた金額を受け取ることができます。
    金地金は、その購入時に消費税が課されるが、換金時には売却価格に消費税が上乗せされた金額を受け取ることになる。2019.1-16-2
  4. [不適切]。1月1日ではありません。金地金を売却した場合、譲渡所得として総合課税の対象になります。このとき譲渡日における所有期間が5年以下の場合は短期譲渡所得に、5年超の場合は長期譲渡所得になります。不動産では譲渡した年の1月1日時点を基準にしますが、総合課税される資産の譲渡では購入から売却までの所有期間を基準にします。
    給与所得者が金地金を売却したことによる譲渡所得は、譲渡した日の属する年の1月1日における所有期間が5年以下である場合、短期譲渡所得として総合課税の対象となる。2019.1-16-3
したがって不適切な記述は[4]です。