FP1級過去問題 2024年9月学科試験 問16

問16

景気動向指数に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 内閣府が公表する消費者態度指数は、今後の暮らし向きの見通しなどについての消費者の意識を調査して数値化した指標であり、景気動向指数の先行系列に採用されている。
  2. 国土交通省が公表する新設住宅着工床面積は、住宅の建築着工状況を集計した指標であり、景気動向指数の一致系列に採用されている。
  3. 総務省が公表する家計調査は、国民生活における家計収支の実態を把握し、国の経済政策・社会政策の立案のための基礎資料を提供することを目的とした統計調査であり、この統計における家計消費支出は景気動向指数の一致系列に採用されている。
  4. 財務省が公表する租税及び印紙収入、収入額調は、税収の動向を把握するための統計資料であり、この統計における所得税収入は景気動向指数の遅行系列に採用されている。

正解 1

問題難易度
肢157.2%
肢26.2%
肢316.8%
肢419.8%

解説

  1. [適切]。消費者態度指数とは、消費者の消費に関する今後半年間の見通しを調査して指数化したものです。消費の見通しなので、景気動向指数の先行系列に採用されています。
    内閣府が公表する消費者態度指数は、今後の暮らし向きの見通しなどについての消費者の意識を調査して数値化した指標であり、先行系列に採用されている。2021.9-16-2
    内閣府が公表する消費者態度指数は、現在の景気動向に対する消費者の意識を調査して数値化した指標であり、景気動向指数の一致系列に採用されている。2018.9-16-3
    内閣府が公表する消費動向調査における消費者態度指数は、景気動向指数の遅行系列に採用されている。2017.1-16-4
  2. 不適切。新設住宅着工床面積は、国土交通省の建築着工統計調査の中で発表される指標であり、都道府県知事に提出された建築工事届のうち新設住宅の床面積を合計したものです。新設住宅着工床面積は、購買意欲の表れとして景気動向指数の先行系列に採用されています。
    国土交通省が公表する新設住宅着工床面積は、住宅の建築着工状況を集計した指標であり、一致系列に採用されている。2021.9-16-3
    国土交通省が公表する建築着工統計における新設住宅着工床面積は、景気動向指数の先行系列に採用されている。2017.1-16-1
    国土交通省が公表する新設住宅着工床面積は、住宅の建築着工状況を集計した指標であり、景気動向指数の一致系列に採用されている。2014.1-16-2
  3. 不適切。総務省の家計調査は、国民生活における家計収支の実態を把握し、国の経済政策・社会政策の立案のための基礎資料を提供することを目的とした統計で、家計の収入・支出、貯蓄・負債などを調査しています。景気が悪くなると消費が減少することから、この統計による「家計消費支出」は景気動向指数の遅行系列に採用されています。
    総務省が公表する家計調査は、国民生活における家計収支の実態を把握し、国の経済政策・社会政策の立案のための基礎資料を提供することを目的とした統計であり、この統計における家計消費支出が景気動向指数の一致系列に採用されている。2020.9-16-3
  4. 不適切。財務省の租税及び印紙収入、収入額調は、税収の動向を把握するための統計ですが、所得税収入は景気動向指数に採用されていません。景気動向指数に採用されているのはこの統計の「法人税収入」で、法人が得た利益に対する税金として景気動向指数の遅行系列に採用されています。
    財務省が公表する租税及び印紙収入、収入額調は、税収の動向を把握するための統計であり、この統計における所得税収入が景気動向指数の遅行系列に採用されている。2020.9-16-4
したがって適切な記述は[1]です。