FP1級過去問題 2024年9月学科試験 問22
問22
ポートフォリオ理論に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。- ポートフォリオのリスクは、分散投資により消去可能な市場リスク(システマティック・リスク)と、分散投資によっても消去不可能な非市場リスク(アンシステマティック・リスク)に分けられる。
- 危険資産である2つの資産の相関係数が1未満である場合、その2つの資産からなるポートフォリオのリスクは、それぞれの資産のリスクを組入比率で加重平均した値となる。
- リスク回避的な投資家が、危険資産と安全資産によって構成されるポートフォリオを考える場合、分離定理によれば、危険資産の組合せは、その投資家のリスクとリターンに関する選好に依存する。
- 資産Aと資産Bの相関係数は、資産Aと資産Bの共分散を、資産Aの標準偏差と資産Bの標準偏差を掛け合わせた値で除して算出することができる。
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正解 4
問題難易度
肢115.9%
肢211.2%
肢317.4%
肢455.5%
肢211.2%
肢317.4%
肢455.5%
分野
科目:C.金融資産運用細目:9.ポートフォリオ運用
解説
- 不適切。ポートフォリオのリスクには、市場リスク(システマティック・リスク)と非市場リスク(アンシステマティック・リスク)とがあります。
- 市場リスク(システマティック・リスク)
- 分散投資によっても消去できない市場全体のリスク。マーケットリスク、分散不能なリスクとも呼ばれる
- 非市場リスク(アンシステマティック・リスク)
- 分散投資によって消去できるリスク。個別リスク、ユニークリスク、分散可能なリスクとも呼ばれる
ポートフォリオのリスクは、分散投資により消去可能な非市場リスク(アンシステマティック・リスク)と、分散投資によっても消去不可能な市場リスク(システマティック・リスク)に分けられる。(2022.9-22-1) - 不適切。ポートフォリオのリスクは、相関係数が1でない限り、組み入れた各資産のリスクを組入比率で加重平均した値よりも小さくなります。これを「ポートフォリオ効果」といいます。
- 不適切。投資家のリスク選好のタイプとしては、リスク回避的、リスク愛好的、リスク中立的の3種類があります。ファイナンス理論では、同じリターンであれば、よりリスクが少ない選択を行う「リスク回避的な投資家」を前提としています。
分離定理によれば、危険資産の最適な組合せは投資家の選好によらず接点ポートフォリオに一意に決まり、投資家のリスク選好に依存するのは接点ポートフォリオと安全資産の保有割合だけであるとされています。リスク回避的な投資家が、危険資産と安全資産によって構成されるポートフォリオを考える場合、危険資産のみのポートフォリオの組合せは、その投資家のリスクとリターンに関する選好に依存する。(2022.9-22-4) - [適切]。相関係数、共分散および2資産の標準偏差の間には次の関係があります。
相関係数=共分散資産Aの標準偏差×B資産の標準偏差
記述のとおりで、相関係数は、共分散を2資産の標準偏差の積で除して求めます。資産Aと資産Bの共分散は、資産Aと資産Bの相関係数を、資産Aの標準偏差および資産Bの標準偏差で除して算出することができる。(2023.5-22-2)
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