FP1級過去問題 2025年1月学科試験 問18
問18
債券投資に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 残存期間が長い債券の利回りよりも残存期間が短い債券の利回りのほうが低く、イールドカーブが右上がりの曲線となる状態を、逆イールドという。
- イールドカーブが順イールドの状態である場合において、時間の経過とともに債券価格が上昇することによってキャピタル・ゲインが期待されることをロールダウン効果といい、一般に、イールドカーブがフラット化するほど、ロールダウン効果は高くなる。
- 残存期間が同じであれば、利付債よりも、割引債のほうがデュレーションは短くなる。
- 他の条件が同一であれば、債券の表面利率が低いほど、また残存期間が長いほど、デュレーションは長くなる。
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正解 4
問題難易度
肢15.9%
肢29.4%
肢318.2%
肢466.5%
肢29.4%
肢318.2%
肢466.5%
分野
科目:C.金融資産運用細目:4.債券投資
解説
- 不適切。逆イールドではありません。縦軸を利回り、横軸を残存期間として、描かれる曲線のグラフをイールドカーブといいます。残存期間の短い債券の利回りよりも残存期間の長い債券の利回りのほうが高く、イールドカーブが右上がりの曲線となる状態を順イールドといいます。
- 不適切。ロールダウン効果は、イールドカーブの傾きが急である(スティープ化している)ほど大きくなります。
ロールダウン効果は、順イールド状態のときに債券を保有しているだけでその債券の市場価格が上昇していく現象です。債券投資においてキャピタルゲインを得るための重要な要素のひとつとなっています。残存年数による金利差が大きいほど期間の経過に伴う債券価格の上昇は大きいので、ロールダウン効果はイールドカーブがスティープ化するほど高まります。
【補足】仮に、その他の条件が同じであるイールドカーブ上の2つの債券があったとします。- 残存期間10年・利回り3.0%
- 残存期間9年・利回り2.8%
- 不適切。割引債にはクーポンが付かないため、デュレーションは債券の残存期間と等しくなります。よって、残存期間が同じであれば、利息を得られない分だけ利付債よりも割引債のほうがデュレーションは長くなります。
- [適切]。債券のデュレーションは投資元本の平均回収期間を示すので、他の条件が同じならば、残存期間が長ければデュレーションは長くなり、残存期間が短ければデュレーションも短くなります。また、表面利率が低ければデュレーションは長くなり、表面利率が高ければデュレーションは短くなります。
【補足】債券のデュレーションは、債券への投資資金を回収できるまでの平均期間を数値化したものです。デュレーション(Duration)を直訳すると「間隔」や「期間」という意味があります。
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