FP1級過去問題 2025年1月学科試験 問17

問17

投資信託の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. ファミリーファンド方式の投資信託では、投資家がマザーファンドを購入することにより集まった資金を、国内外の株式や債券等を投資対象とする複数のベビーファンドに振り分けて運用が行われる。
  2. ロング・ショート型の投資信託は、相対的に割安と考えられる銘柄を買い建てるとともに、相対的に割高と考えられる銘柄を売り建てることで、市場の変動にかかわらず、収益の獲得を目指すものである。
  3. ブル型の投資信託は、原指標の変動率に一定の正の倍数を乗じて算出される指標に連動する運用成果を目指すものであり、市場の上昇局面ではより高い収益率を期待することができる。
  4. 外貨建MMFは、主に外国の格付の高い公社債やコマーシャルペーパー等を投資対象として運用される外貨建ての投資信託であり、株式は投資対象とされない。

正解 1

問題難易度
肢151.8%
肢211.3%
肢313.8%
肢423.1%

解説

  1. [不適切]。マザーファンドとベビーファンドが逆です。
    ファミリーファンド方式は、投資家がまず「ベビーファンド」と呼ばれる投資信託に資金を預け、その資金が「マザーファンド」にまとめて投資される仕組みです。マザーファンドでは、集めた資金を株式や債券などで実際に運用します。同じ運用戦略の複数のファンドを一つに集約することで、コスト削減や効率的な運用が可能になります。
  2. 適切。ロング・ショート型は、買建てと売建てを組み合わせた運用戦略です。割安な株式を買い建てる(ロング)と同時に、割高な株式を売り建てる(ショート)ことで、市場全体の値動きにかかわらず運用収益を獲得を目指します。ヘッジファンドの代表的な運用手法の一つです。
    ロング・ショート型ファンドは、株価の相対的な上昇が予想される株式を購入すると同時に、株価の相対的な下落が予想される株式を空売りすることで、株式市場の上昇・下落にかかわらず、収益の獲得を目指す投資信託である。2022.5-18-2
  3. 適切。ブル型・ベア型のファンドは、先物取引やオプション取引を利用して基準となる株価指数を大幅に上回る投資成果を目指す投資信託です。ブル型は対象指標が上昇しているときに、それに連動(一定倍の連動を含む)して利益を得ることを目指すファンド、ベア型は逆に対象指標が下落しているときに、それに逆連動(一定倍の逆連動を含む)して利益を得ることを目指すファンドです。
    インバース型ETFは、原指標の日々の変動率に一定の負の倍数を乗じて算出される指標に連動した運用成果を目指して運用される。2025.5-17-1
    ベア型ファンドは、原指標の変動率に一定の負の倍数を乗じて算出される指標に連動する運用成果を目指して運用される投資信託である。2022.5-18-4
    インバース型ETFは、原指標の変動率に一定の負の倍数を乗じて算出される指標に連動する運用成果を目指して運用される。2022.1-18-2
    ダブルインバース型ETFは、変動率が原指標の変動率の2倍となるように設定された指標に連動する運用成果を目指して運用され、その変動率は原指標の変動率よりも大きくなる。2019.9-17-2
  4. 適切。外貨建てMMFは、外貨建ての高格付の公社債や短期の金融商品(CP:コマーシャルペーパー)を投資対象とする投資信託です。株式は投資対象とされません。
    【参考】コマーシャルペーパーは、企業が短期の資金調達を目的として割引方式で発行する無担保の約束手形です。
したがって不適切な記述は[1]です。