FP1級過去問題 2025年1月学科試験 問27

問27

居住者であるAさんの2025年分の各種所得の金額が下記のとおりであった場合の総所得金額として、次のうち最も適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとし、▲が付された所得金額は、その所得金額が損失の金額であることを意味している。
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  1. 160万円
  2. 180万円
  3. 200万円
  4. 220万円

正解 4

問題難易度
肢16.8%
肢216.9%
肢324.5%
肢451.8%

解説

損益通算する際には、控除する所得の順序が定められています。具体的には、①経常所得(事業所得、不動産所得、利子所得、配当所得、給与所得、雑所得)と、②臨時所得(総合譲渡所得、一時所得)、③山林所得、④退職所得に分け、下図のとおりの順序で通算を行います。
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①経常グループ
事業所得から不動産所得の損失を差し引いて求めます。損益通算の計算上、土地等の取得に要した借入金の利子は損益通算の対象外とされているので、不動産所得の損失のうち損益通算が可能額は「100万円-20万円=80万円」です。また雑所得の損失は全部が損益通算の対象外です。
よって、経常グループの合計所得は「300万円-80万円=220万円」です。
②臨時グループ
総合課税の譲渡損失20万円がありますが、ゴルフ会員権や別荘、金地金などは「生活に通常必要でないと資産」に該当し、その譲渡により生じた損失を他の所得と損益通算することができません。
臨時グループには合算すべき額も損益通算できる損失もないので、経常グループの合算額である220万円がそのまま総所得金額となります。したがって[4]が正解です。