FP1級過去問題 2025年1月学科試験 問43
問43
「相続時精算課税に係る土地又は建物の価額の特例」(以下、「本特例」という)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 本特例の適用にあたっては、相続時精算課税適用者が特定贈与者からの贈与により取得した土地または建物が、贈与を受けた日からその特定贈与者の相続が開始するまでの間に災害によって一定の被害を受けたことが要件とされている。
- 本特例の適用にあたっては、相続時精算課税適用者が特定贈与者からの贈与により取得した土地または建物を、贈与を受けた日から災害が発生した日まで引き続き所有していたことが要件とされている。
- 本特例では、相続時精算課税適用者が特定贈与者からの贈与により取得した土地または建物が災害によって受けた被害のうち、建物の損壊などの物理的な損失だけでなく、鉄道交通の支障に伴う土地の価格の下落などの経済的な損失も対象となる。
- 本特例の適用を受けるためには、原則として、災害によって被害を受けた部分の価額その他の事項を記載した申請書を、災害が発生した日から3カ月を経過する日までに、納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
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正解 2
問題難易度
肢118.2%
肢249.9%
肢317.3%
肢414.6%
肢249.9%
肢317.3%
肢414.6%
分野
科目:F.相続・事業承継細目:2.贈与と税金
解説
「相続時精算課税に係る土地又は建物の価額の特例(精算課税の災害特例)」は、相続時精算課税制度を選択して贈与を受けた土地・建物が災害により一定の被害を受けた場合に、その被害分を相続財産として加算すべき額から差し引くことができる制度です(措置法70条の3の3)。
本特例の適用を受けるための要件は次の8つです。
本特例の適用を受けるための要件は次の8つです。
- 相続時精算課税の適用を受けて取得した財産であること
- 災害で被害を受けた財産が土地または建物であること(借地権等の権利は対象外)
- 災害による被害が物質的な損失であること(地価の下落等の経済的損失は対象外)
- 贈与を受けた日から特定贈与者の死亡に係る相続税の申告期限までの間の災害で被害を受けたこと
- 贈与を受けた日から災害発生日まで引き続き所有していたこと
- 被災割合が10分の1以上であること
- 災害減免法による贈与税の減免措置の適用を受けていないこと
- 税務署長の承認を受けていること
- 不適切。相続開始までではありません。本特例は、災害発生日が贈与を受けた日から特定贈与者の死亡に係る相続税の申告期限までの間であることが適用要件です。
- [適切]。本特例は、相続時精算課税制度を適用して贈与を受けた土地・建物を、災害発生日まで継続して所有していることが適用要件です。
- 不適切。本特例は、贈与を受けた土地・建物が、災害による物質的な損失(土地形状の変形、建物損壊等)を被った場合に適用対象となります。所有する土地や建物の近隣の変化(鉄道交通の支障や街路の破損等)による時価の下落などの経済的な損失は対象外です。
- 不適切。3カ月ではありません。本特例の適用を受けるためには、原則として災害発生日から3年を経過する日までに、贈与税の納税地の所轄税務署長に対して承認申請書を提出し、適用要件を満たしていることの承認を受けなければなりません。
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