FP1級 2025年1月 応用編 問55

【この問題にはが用意されています。読んでから回答してください。】
 Aさん(60歳)は、上場株式や個人向け国債をはじめとした公社債への投資による資産運用を検討している。上場株式については同業種のX社とY社に興味を持っており、X社とY社の財務データを比較したうえで、投資するかどうかを判断したいと考えている。
 そこで、Aさんは、ファイナンシャル・プランナーのMさんに相談することにした。

〈X社とY社の財務データ等〉(単位:百万円)
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  • 上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

問55

《設例》の〈X社とY社の財務データ等〉に基づいて、Y社の損益分岐点比率を求めなさい。〔計算過程〕を示すこと。なお、計算過程においては端数処理せず、〈答〉は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入し、小数点以下第2位までを解答すること。
また、変動費は売上原価に等しく、固定費は販売費及び一般管理費に等しいものとする。

正解 

 81.45(%)
124,000百万円-23,000百万円=101,000百万円
101,000百万円÷124,000百万円310,000百万円=252,500百万円
252,500百万円310,000百万円×100=81.45%(小数点以下第3位四捨五入)

分野

科目:C.金融資産運用
細目:5.株式投資

解説

損益分岐点比率は、売上高に対する損益分岐点売上高の割合です。主に収益性をみる指標であり、値が低いほど売上の減少に対しての耐性が高く安全といえます。損益分岐点比率は以下の算式で求めます。

 損益分岐点比率(%)=損益分岐点売上高売上高×100

損益分岐点売上高は以下の式で求めます。

 限界利益率=限界利益÷売上高
 損益分岐点売上高=固定費÷限界利益率

本問では「変動費は売上原価に等しく、固定費は販売費及び一般管理費に等しい」とあります。限界利益は「売上高-変動費」、売上総利益は「売上高-売上原価」なので、「限界利益=売上総利益」と考えることができます。また「営業利益=売上総利益-販管費」より、固定費は「売上総利益-営業利益」で計算できます。

限界利益は売上総利益と同額の124,000、固定費は「124,000-23,000=101,000」、売上高は310,000なので、

 限界利益率=124,000÷310,000=0.4
 損益分岐点売上高=101,000÷0.4=252,500

上記の値をそのまま売上高で割って、損益分岐点比率を求めます。

 252,500310,000×100=81.451…%
(小数点以下第3位四捨五入)81.45%

よって、正解は81.45(%)となります。