FP1級過去問題 2025年5月学科試験 問44
問44
相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律における土地の所有権を国庫に帰属させることについての承認申請に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。
- 相続人が相続等により取得した土地について、当該相続等を原因とする所有権移転登記をしなければ、当該土地に係る承認申請をすることはできない。
- 相続等により取得した土地に係る承認申請にあたって、承認申請者は、所定の審査手数料を納付しなければならず、その承認に係る土地の所有権の国庫への帰属にあたっては、所定の負担金を納付しなければならない。
- 土地が数人の共有に属する場合において、その有する共有持分の全部を相続等以外の原因により取得した共有者は、相続等により共有持分の全部または一部を取得した共有者と共同して、当該土地に係る承認申請をすることができる。
- 抵当権が設定されている土地については、承認申請をすることができない。
広告
正解 1
問題難易度
肢136.9%
肢222.2%
肢327.0%
肢413.9%
肢222.2%
肢327.0%
肢413.9%
分野
科目:F.相続・事業承継細目:3.相続と法律
解説
- [不適切]。相続登記が未了であっても、申請する土地を相続・遺贈によって取得した相続人であれば、申請することができます(帰属法2条1項)。
- 適切。本制度の承認申請をする際には、一筆あたり14,000円の審査手数料の納付が必要です。申請取下げ・却下・不承認となった場合でも、審査手数料は返還されません。また申請が承認された場合、土地の種目(宅地・農用地・森林・その他)ごとに定められる10年分の管理費相当額を負担金として国に納める必要があります。
- 適切。相続した土地が共有に属するときは、共有者全員が共同して申請する場合に限り、本制度を利用することができます。この際、共有者の中に相続・遺贈によって土地を取得した相続人が1人でもいれば、他の共有者については取得原因が相続等以外でも問題ありません(帰属法2条2項)
- 適切。本制度により国庫への帰属が決まった土地は、それ以降、国が管理・処分を行うことになります。過度な管理コストが国に転嫁されることを防ぐために、通常と比べて過分に費用や労力を要する以下の土地については本制度を利用することができません(帰属法2条3項)。
- 建物がある土地
- 担保権や使用収益権が設定されている土地
- 通路等の他人による使用が予定されている土地
- 特定有害物質により汚染されている土地
- 境界や所有権の帰属について争いがある土地
広告