FP1級過去問題 2025年9月学科試験 問38
問38
建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律(建築物省エネ法)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 建築主が建築物の新築をしようとするときは、原則として、床面積の合計が50㎡以下の建築物を除き、当該建築物を建築物エネルギー消費性能基準に適合させなければならない。
- 建築主が建築物の増改築をしようとするときは、原則として、増改築をする部分だけでなく、建築物全体を建築物エネルギー消費性能基準に適合させなければならない。
- 建築物の販売または賃貸を行う事業者は、その販売または賃貸を行う建築物について、原則として、エネルギー消費性能を表示するよう努めなければならない。
- 建築物のエネルギー消費性能の表示にあたっては、登録建築物エネルギー消費性能判定機関が建築物のエネルギー消費性能の評価を行ったことを示す第三者認証を取得しなければならず、建築物の広告やチラシ等にその認証マークを明示する必要がある。
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正解 3
問題難易度
肢110.3%
肢29.0%
肢355.8%
肢424.9%
肢29.0%
肢355.8%
肢424.9%
分野
科目:E.不動産細目:3.不動産に関する法令上の規制
解説
建築物省エネ法(正式名称:建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律)は、エネルギー消費の約3割を占める建築物分野での省エネ対策を促すため、建築物エネルギー消費性能基準(以下、省エネ基準という)への適合義務、省エネ性能表示制度、誘導基準に適合した建築物の容積率特例の誘導措置などを定めた法律です。
2015年7月に公布され、2024年4月からは省エネ性能表示制度が開始し、新築建築物の販売・賃貸の広告において、省エネ性能を表示することが必要になっています。さらに、2025年4月からは建築されるすべての建築物に対し、省エネ基準への適合を義務付けられます。
2015年7月に公布され、2024年4月からは省エネ性能表示制度が開始し、新築建築物の販売・賃貸の広告において、省エネ性能を表示することが必要になっています。さらに、2025年4月からは建築されるすべての建築物に対し、省エネ基準への適合を義務付けられます。
- 不適切。50㎡ではありません。建築物の新築をしようとする場合、床面積10㎡以下のものを除き、原則として、住宅・非住宅を問わずすべての建築物を省エネ基準に適合させる義務があります。従前は床面積300㎡以上の非住宅建物のみが適用義務の対象でしたが、2025年4月から適合義務が拡大されています(建物省エネ法10条)。
- 不適切。建築物を増改築するときは、原則として、増改築する部分のみを省エネ基準に適合させれば足ります。従前は建築物全体を基準に適合させる必要がありましたが、法改正により要件が緩和されています(建物省エネ法11条)。
- [適切]。建築物の販売・賃貸を行う事業者は、その販売・賃貸を行う建築物の広告等において、エネルギー消費性能の表示をするよう努めなければなりません。これは、購入者や賃借人が省エネ性能への関心を高め、より省エネ性能が高い建築物が選ばれる市場環境を整備するための措置です(建物省エネ法27条)。
- 不適切。建築物のエネルギー消費性能の表示(省エネ性能ラベル)は、建築主や販売事業者等がツールを使って自分で発行することもできますし、建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)による評価機関へ代行を依頼することもできます。ラベル内には「自己評価」または「第三者評価」が記載されるため、第三者評価のほうが信頼性は高いと言えます。

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