FP1級過去問題 2025年9月学科試験 問41
問41
毎期末に1,000万円の純収益が得られる賃貸マンションを1億5,000万円で取得し、取得から3年経過時点で1億4,500万円で売却する不動産投資におけるNPV(正味現在価値)として、次のうち最も適切なものはどれか。なお、NPV(正味現在価値)の算出にあたっては、その計算過程においてDCF法を用いることとし、割引率は年5%として下記の係数表を利用すること。また、記載のない事項については考慮しないものとする。

- 120万円
 - 251万円
 - 2,223万円
 - 2,291万円
 
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正解 2
分野
科目:E.不動産細目:8.不動産の証券化
解説
NPV法(正味現在価値法)は、投資が生み出す収益と投資額について、それぞれの発生時期に応じて現在価値に割り引いた額を比較して投資判断を行います。NPV(収益の現在価値-投資額の現在価値)がゼロを上回る場合に、その投資は有利であると判定します。NPV=収益の現在価値-投資額の現在価値
まず、DCF(ディスカウントキャッシュフロー)法で収益の現在価値を算定します。DCF法は、一定の保有期間中に生み出される「純収益の現在価値の総和」と、保有期間終了後の「復帰価格(将来の転売価格)の現在価値」を合算して、投資不動産の収益価格を算出する手法です。
設問の投資で得られる収益は次のとおりです。
- 1年後 … 1,000万円
 - 2年後 … 1,000万円
 - 3年後 … 1,000万円+1億4,500万円=1億5,500万円
 
1,000万円×0.952+1,000万円×0.907+1億5,500万円×0.864
=952万円+907万円+1億3,392万円
=1億5,251万円
(a)収益の現在価値が1億5,251万円、(b)投資額の現在価値が1億5,000万円なので、NPV(a-b)は、
1億5,251万円-1億5,000万円=251万円
したがって[2]が適切です。
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