FP1級過去問題 2025年9月学科試験 問43

問43

Aさん(30歳)は、事業資金として、2025年9月に父Bさん(64歳)から現金600万円、母Cさん(58歳)から現金300万円、兄Dさん(36歳)から現金200万円の贈与を受けた。Aさんの2025年分の贈与税額として、次のうち最も適切なものはどれか。なお、いずれも贈与税の課税対象となり、父Bさんからの贈与については、初めて相続時精算課税を選択するものとする。また、Aさんは2025年中にほかに贈与は受けていないものとする。
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  1. 485,000円
  2. 503,000円
  3. 530,000円
  4. 640,000円

正解 2

解説

父Bさんからの贈与は相続時精算課税、Aさんは18歳以上のため母Cさんからの贈与は暦年課税(特例贈与財産)、兄Dさんからの贈与は暦年課税(一般贈与財産)となります。

まず、父Bさんからの贈与は相続時精算課税の非課税限度額内なので、納付すべき贈与税額はありません。

母Cさん・兄Dさんからの贈与は暦年課税です。一般贈与と特例贈与の両方を受けている場合は、両方に累進課税を適用するために、以下の手順で贈与税額を計算します。
  1. 全ての財産を「一般税率」で計算し、その税額に占める「一般贈与財産」の割合に応じた税額を計算する
  2. 全ての財産を「特例税率」で計算し、その税額に占める「特例贈与財産」の割合に応じた税額を計算する
  3. ①と②を合計する
本問のケースでは、一般贈与と特例贈与の総額が「300万円+200万円=500万円」なので、以下のように計算します。
①一般贈与の税額
500万円-110万円=390万円
390万円×20%-25万円=53万円
(「一般贈与財産」の割合を乗じる)
53万円×200万円500万円=21.2万円
②特例贈与の税額
500万円-110万円=390万円
390万円×15%-10万円=48.5万円
(「特例贈与財産」の割合を乗じる)
48.5万円×300万円500万円=29.1万円
①と②の合計額
21.2万円+29.1万円=50万3,000円
したがって[2]が正解です。