FP1級 2025年9月 応用編 問56
 Aさん(30歳)は、東京証券取引所に上場しているX社株式と、追加型株式投資信託である投資信託Yおよび投資信託Zに投資することを検討しており、株式や投資信託に係る投資指標等について理解したいと考えている。
そこで、Aさんは、ファイナンシャル・プランナーのMさんに相談することにした。
〈X社の財務データ等〉(単位:百万円)
〈投資信託Yと投資信託Zの実績収益率・標準偏差〉
そこで、Aさんは、ファイナンシャル・プランナーのMさんに相談することにした。
〈X社の財務データ等〉(単位:百万円)


- 「***」は、問題の性質上、伏せてある。
 - 上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。
 
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問56
《設例》の〈投資信託Yと投資信託Zの実績収益率・標準偏差〉に基づいて、次の①および②に答えなさい。〔計算過程〕を示し、〈答〉は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入し、小数点以下第2位までを解答すること。
- 投資信託Yの標準偏差はいくらか。
 - 投資信託Yと投資信託Zの相関係数はいくらか。
 
| ①% | 
| ② | 
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正解
| ① 1.87(%) 13×(9.20+6.20+4.70)=6.70 1/3×{(9.20-6.70)2+(6.20-6.70)2+(4.70-6.70)2} =1.87(小数点以下第3位四捨五入)  | 
| ② 0.89 13×(6.10+5.50+3.70)=5.10 
13×{(9.20-6.70)×(6.10-5.10)+(6.20-6.70)×(5.50-5.10)+(4.70-6.70)×(3.70-5.10)}=1.70 1.701.87×1.02=0.89(小数点以下第3位四捨五入)  | 
分野
科目:C.金融資産運用細目:9.ポートフォリオ運用
解説
〔①について〕
標準偏差(σ)は、以下の手順で求めます。
〔②について〕
2資産の相関係数、標準偏差および共分散には次式の関係があります。
相関係数=共分散A資産の標準偏差×B資産の標準偏差
※分母は%のまま計算します
本問では標準偏差はわかっていますが、共分散が明らかにされていません。AとBの共分散は「Aの偏差×Bの偏差」の平均であり、求める式は次のとおりです。
共分散AB=(値1の偏差A×値1の偏差B+値2の偏差A×値2の偏差B+…)÷要素数
投資信託Yの偏差は前述のとおり {2.5, -0.5, 2} です。同様の手順で投資信託Zの各期の偏差も求めます。
2.5×1+(-0.5)×0.4+(-2)×(-1.4)3
=2.5+(-0.2)+2.83=1.7
投資信託Yの標準偏差は1.87%、投資信託Zの標準偏差は1.02%、共分散は1.7なので、2資産間の相関係数は
1.71.87×1.02=1.71.9074=0.891…
(小数点以下第3位四捨五入)0.89
よって、正解は0.89となります。
標準偏差(σ)は、以下の手順で求めます。
- 全要素の平均値を求める
 - 要素ごとに平均値との差(偏差)を求める
 - 2.で求めた偏差を二乗したものの総和を求め、要素数で割る
 - 3.で求めた数値の平方根を求める
 
- 平均値:9.2+6.2+4.73=6.7
 - 第1期の偏差:9.2-6.7=2.5
第2期の偏差:6.2-6.7=-0.5
第3期の偏差:4.7-6.7=-2 - 2.52+(-0.5)2+(-2)23=6.25+0.25+43=10.53=3.5
 - 3.5=1.870…(小数点以下第3位四捨五入)1.87%
 
〔②について〕
2資産の相関係数、標準偏差および共分散には次式の関係があります。
相関係数=共分散A資産の標準偏差×B資産の標準偏差
※分母は%のまま計算します
本問では標準偏差はわかっていますが、共分散が明らかにされていません。AとBの共分散は「Aの偏差×Bの偏差」の平均であり、求める式は次のとおりです。
共分散AB=(値1の偏差A×値1の偏差B+値2の偏差A×値2の偏差B+…)÷要素数
投資信託Yの偏差は前述のとおり {2.5, -0.5, 2} です。同様の手順で投資信託Zの各期の偏差も求めます。
- 平均値:6.1+5.5+3.73=5.1
 - 第1期の偏差:6.1-5.1=1
第2期の偏差:5.5-5.1=0.4
第3期の偏差:3.7-5.1=-1.4 
2.5×1+(-0.5)×0.4+(-2)×(-1.4)3
=2.5+(-0.2)+2.83=1.7
投資信託Yの標準偏差は1.87%、投資信託Zの標準偏差は1.02%、共分散は1.7なので、2資産間の相関係数は
1.71.87×1.02=1.71.9074=0.891…
(小数点以下第3位四捨五入)0.89
よって、正解は0.89となります。
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