FP1級過去問題 2026年1月学科試験 問20

問20

外国為替取引等の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 2国間の為替相場は、相対的購買力平価説では、一物一価の法則の成立を前提に、2国間の購買力の比によって決定するものとされる一方、絶対的購買力平価説では、2国間の物価上昇率の比であるインフレ格差によって決定するものとされる。
  2. 金融機関が輸出入業者や個人を相手に外国為替を取引する市場は対顧客市場と呼ばれ、各金融機関が為替レートを決定する一方、金融機関同士が外国為替を取引する市場はインターバンク市場と呼ばれ、その為替レートは取引所における取引によって決定される。
  3. 外国為替証拠金取引において、低金利の通貨を売り、高金利の通貨を買うことによって得られる金利差による利益はスワップポイントと呼ばれ、ポジションの数量や保有日数に応じてスワップポイントは変動するが、その保有日数の計算にあたって、土曜日、日曜日および祝日は除かれる。
  4. 低金利の通貨で調達した資金を高金利の通貨に換えて運用し、運用益に加えて利ざやを稼ぐ取引はキャリートレードと呼ばれ、日本の短期金融市場で調達した円貨をドルに換えて運用する円キャリートレードの増加は円安/ドル高の要因となり、その円キャリートレードの解消は円高/ドル安の要因となる。

正解 4

問題難易度
肢112.6%
肢218.9%
肢312.6%
肢455.9%

解説

  1. 不適切。記述は2つの説の説明が逆です。
    購買力平価説は、為替レートは各国の通貨が持つ購買力の相対的な水準によって決まるとする理論です。
    絶対的購買力平価説
    同じ商品・サービスはどこの国でも同じ価格で買えるという「一物一価の法則」が成立することを前提に、為替レートが決まると考える
    相対的購買力平価説
    2国間の物価上昇率(インフレ率)の格差と等しくなるように、為替レートが決まると考える
  2. 不適切。外国為替市場は「インターバンク市場」と「対顧客市場」の2つに分かれます。インターバンク市場では、銀行・証券会社などの金融機関が電子取引システムやディーラー間取引を通じて相対的に価格を形成します。株式市場のように取引所が中心となって価格を決定するわけではありません。対顧客市場は、インターバンク市場で決定した為替レートを基に、各金融機関が手数料等を上乗せした為替レートを決定しており、輸出業者や個人へ適用されます。
  3. 不適切。土日祝も日数計算に含まれます。
    スワップポイントとは、外国為替証拠金(FX)取引においてポジションを保有している間に発生する、2つの通貨の金利差に基づく利益または負担のことです。一般に、金利の低い通貨を売って金利の高い通貨を買うと、その金利差に相当する金額が利益として口座に付与されます。反対に金利の高い通貨を売って金利の低い通貨を買うと、その金利差に相当する金額を負担することになります。
    スワップポイントの金額は、保有しているポジションの数量、通貨間の金利差(%)、およびポジションを保有している日数によって変動します。金利は市場の営業日だけでなく暦日ベースで発生するため、取引所が休業している土曜日、日曜日、祝日も保有日数に含めます。
  4. [適切]。キャリートレードは、金利の低い通貨で資金を調達し、金利の高い通貨に換えて運用することで金利差(利ざや)を得る取引手法です。日本円を調達しドルに換えて運用する取引を円キャリートレード(円キャリー取引)といい、日本円を売る動きが強まるため円安/ドル高の要因となります。円キャリートレードによる運用を解消する場合、日本円を買う動きが強まるため円高/ドル安の要因になります。
したがって適切な記述は[4]です。