FP1級過去問題 2026年1月学科試験 問19

問19

東京証券取引所における株式の売買制度に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. ザラバ方式は、始値が決定された後のザラバにおいて行われる売買の成立方式であり、価格優先の原則と時間優先の原則に基づき、売買が成立する。
  2. 東京証券取引所における内国株式の売買立会では、午後立会終了時の売買においてクロージング・オークションが導入されており、ザラバの終了時から5分間の注文受付時間(プレ・クロージング)が設けられ、午後3時30分に板寄せが行われる。
  3. ToSTNeT取引は、東京証券取引所の立会外取引であり、その一種である自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)は、買方を発行会社に限定した自己株式取得専用の取引である。
  4. サーキット・ブレーカー制度は、相場が過熱した場合に、投資家の冷静な投資判断を促す目的で取引を一時中断する措置であり、東京証券取引所では株式取引が対象とされている。

正解 4

問題難易度
肢111.6%
肢213.6%
肢333.3%
肢441.5%

解説

  1. 適切。ザラバ方式は、始値の決定後から終値が決まるまでの売買立会時間中(ザラバ)に適用される取引ルールで、価格優先の原則・時間優先の原則に従って連続的に売買が成立する方式のことです。これに対して、取引開始時(寄り付き)や終了時(引け)の売買成立は板寄せ方式によって行われます。
    ザラバ方式は、始値が決定された後に、売買立会時間中継続して個別に行われる売買契約の締結方法で、価格優先の原則と時間優先の原則に基づき、連続的に売買が成立していく。2024.5-20-3
  2. 適切。クロージング・オークションは、東京証券取引所において大引け(後場終了)の終値を決めるための板寄せ方式です。ザラバ方式による取引は終了時刻の5分前、すなわち15時25分に終了します。その後、15時25分から15時30分までの5分間(プレ・クロージング時間)は、注文の受付(変更含む)のみが行われ、売買は成立しません。最終的に15時30分の時点で全ての注文を板寄せ方式により一括して成立させます。
    【参考】クロージング・オークションの導入は、取引終了直前における価格の乱高下を抑え、公平かつ安定的な終値形成を実現することを目的としています。
  3. 適切。ToSTNeT(トストネット)取引は、東京証券取引所の「立会時間外」に行われる電子取引ネットワークシステムを用いた取引です。大口の注文や複数銘柄のバスケット取引を、通常の売買に影響を与えず成立させる目的で使われます。ToSTNeT市場では次の4つの取引が行われています。
    • 単一銘柄取引(ToSTNeT-1)
    • バスケット取引(ToSTNeT-1)
    • 終値取引(ToSTNeT-2)
    • 自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)
    自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)は、企業が自社の株を市場外で買い付ける「自社株買い」の際に利用されます。
  4. [不適切]。株式取引は対象外です。サーキット・ブレーカー制度は、前営業日の終値と比べて相場が急激に変動した場合に、取引を一時的に停止する仕組みです。パニック的な売買の連鎖を抑制すると同時に、投資家に冷静な判断を促すことで市場の混乱を防ぐことを目的としています。東京証券取引所では主に先物取引・オプション取引で発動されます。
したがって不適切な記述は[4]です。