FP1級過去問題 2026年1月学科試験 問36
問36
民法における相隣関係に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。
- 共有物の分割によって公道に通じない土地が生じた場合、その土地の所有者は、公道に至るため、他の分割者の所有地を、償金を支払うことなく通行することができる。
- 土地の所有者は、隣地との境界またはその付近における障壁、建物その他の工作物の築造、収去または修繕のため、必要な範囲内で隣地を使用することができるが、住家については、その居住者の承諾がなければ、立ち入ることができない。
- 土地の所有者は、他人が所有する設備を使用しなければ電気、ガスまたは水道水の供給その他これらに類する継続的給付を受けることができない場合に、継続的給付を受けるために他人が所有する設備を使用するときは、その利益を受ける割合に応じて、その設置、改築、修繕および維持に要する費用を負担しなければならない。
- 共有物の分割によって他の土地に設備を設置しなければ電気、ガスまたは水道水の供給その他これらに類する継続的給付を受けることができない土地が生じた場合、その土地の所有者は、継続的給付を受けるため、他の分割者の所有地またはその他の隣地に設備を設置することができる。
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正解 4
問題難易度
肢129.9%
肢211.7%
肢319.0%
肢439.4%
肢211.7%
肢319.0%
肢439.4%
分野
科目:E.不動産細目:2.不動産の取引
解説
- 適切。公道に通じない土地(袋地)の所有者は、公道に至るため、その土地を囲んでいる他の土地を通行する権利があります(民法210条)。この際は償金を負担するのが原則ですが、土地の分割や一部譲渡によって袋地となった場合は、償金を支払うことなくその分割・譲渡前の土地の部分を通行することができます(民法212条・民法213条)。

- 適切。土地所有者は、次の3つの目的に必要な範囲内で隣地を使用することが認められています。ただし、隣地居住者の平穏の保護のため、住家に立ち入る場合には居住者の承諾が必要です(民法209条1項)。
- 境界またはその付近における障壁、建物その他の工作物の築造・収去・修繕
- 境界標の調査または境界に関する測量
- 越境した枝の切取り
- 適切。土地所有者は、ガスまたは水道水の供給その他これらに類する継続的給付(=ライフラインの供給)を受けるために必要なときは、他の土地に設備を設置し、または他人が所有する設備を使用することができます(民法213条の2第1項)。他人が所有する設備を使用する場合、使用開始するために生じた損害に対して償金を支払うとともに、利益を受ける割合に応じて設備の設置・改築・修繕・維持の費用を負担する必要があります(民法213条の2第7項)。
- [不適切]。その他の隣地には設置できません。土地の分割や一部譲渡によって、ガスまたは水道水の供給その他これらに類する継続的給付(=ライフラインの供給)を受けられない土地が生じた場合、その土地所有者は、その分割・譲渡前の土地の部分に限り、設備を設置することができます(償金支払いなし)。
分割等によりライフラインの引き込みができなくなることは予期可能であり、その上で分割を行ったのは当人たちの過失です。第三者である他の隣地所有者に、その結果生じる負担を負わせることは不合理なためです。
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