FP1級 2026年1月 応用編 問55

【この問題にはが用意されています。読んでから回答してください。】
 Aさん(30歳)は、上場株式への投資を始めるため、投資指標や株価のチャート分析について理解したいと考えている。具体的には、X社の株式に興味を持っており、NISAを利用して購入することを検討している。また、特定口座で購入し、保有している公募株式投資信託(Y投資信託)については、解約を検討している。
 そこで、Aさんは、ファイナンシャル・プランナーのMさんに相談することにした。

〈X社の財務データ等〉(単位:百万円)
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  • 上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

問55

Mさんは、Aさんに対して、株価のチャート分析およびNISAについて説明した。Mさんが説明した以下の文章の空欄①~⑦に入る最も適切な語句または数値を、解答用紙に記入しなさい。なお、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。
  1. 〈チャート分析〉
     「株価のチャート分析は、株価の将来の値動きを、過去の値動きから予測するための分析方法であり、()足や移動平均線を用いた方法などがあります。
     ()足は、一定の取引期間中の株価の値動き(始値、高値、安値、終値)を()の形で表したもので、始値よりも終値のほうが高いものを()、始値よりも終値のほうが低いものを□□□と呼びます。また、始値と終値で囲まれた長方形から高値、安値に向かって上下に伸びた線はヒゲと呼ばれ、その長方形とヒゲに基づく()足の形状、()と□□□の別などから、買いと売りの圧力の強さ等を把握し、売買のタイミングの見極めに役立てることができます。
     移動平均線は、一定期間の株価を平均し、その推移を折れ線グラフにより表示したもので、値動きが平滑化されることで、その方向性がわかりやすくなる特徴があります。短期の移動平均線は、直近の値動きが反映されやすく、その方向性の初動を探る場面で有用であり、長期の移動平均線は、長期的なトレンドを把握する際に有用です。なお、短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上に抜けて交差することを()と呼び、一般に、買いのサインの1つとされています。
     ()は、移動平均線を中心に上下に引かれた帯状の線(バンド)を指し、その幅が変動したり、特徴的な形状を示したりすると株価のトレンドの変化や継続が示唆されます。なお、()は、移動平均線に標準偏差(σ)を加減して作成され、株価が一定のレンジに収まる確率を示しており、例えば、株価が『移動平均線±()σ』の範囲内に収まる確率は、正規分布を前提として、約95.4%とされています」
  2. 〈株式投資におけるNISAの利用〉
     「NISA口座は、つみたて投資枠と成長投資枠の2つから構成されています。つみたて投資枠で投資することができる金額は年間□□□万円まで、成長投資枠で投資することができる金額は年間()万円までとされていますが、上場株式が対象となるのは成長投資枠のみです。また、それぞれの年間投資枠のほかに□□□万円(うち成長投資枠は()万円)の非課税保有限度額が設定されており、これを超過するような投資は行うことができません」
 
 
 
 
σ
万円
万円

正解 

① ローソク
② 陽線
③ ゴールデンクロス
④ ボリンジャーバンド
⑤ 2(σ)
⑥ 240(万円)
⑦ 1,200(万円)

分野

科目:C.金融資産運用
細目:5.株式投資

解説

〔①、②について〕
ある一定の時間内における株価の動きを視覚的に示す図として、ローソク足があります。ローソク足では、その時間帯の始値、終値、高値、安値を一目で把握できるようになっています。
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ローソク足には「陽線」と「陰線」の2種類があります。陽線は、始値よりも終値のほうが高いときに形成され、値上がりを示します。一方、陰線は、終値よりも始値のほうが高いときに形成され、値下がりを示します。
よって、①はローソク、②は陽線が正解となります。

〔③について〕
短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上に抜けて交差することを「ゴールデンクロス」といい、今後、株価が上昇傾向にあると判断される買いのサインの一つとして用いられます。反対に、短期の移動平均線が長期の移動平均線を上から下に抜けて交差することを「デッドクロス」といい、今後、株価が下降傾向にあると判断されます。
よって、正解はゴールデンクロスとなります。
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〔④、⑤について〕
株価の変動が正規分布に従うと仮定すると、株価は統計的に次の範囲内に収まると考えられます。σは標準偏差を表します。
  • "移動平均線±1σ"の範囲内に収まる確率は約68.3%
  • "移動平均線±2σ"の範囲内に収まる確率は約95.4%
  • "移動平均線±3σ"の範囲内に収まる確率は約99.7%
この特性に基づき、移動平均線を基準として、標準偏差(σ)を上下に加えて作成される価格帯域を「ボリンジャーバンド」といいます。テクニカル分析では、バンドの幅や価格とバンドの接近状況を分析することで、価格水準や相場のトレンドを把握に役立てられます。
よって、④はボリンジャーバンド、⑤は2(σ)となります。

〔⑥について〕
2024年以降の新NISA制度における年間非課税枠は、つみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円です。
よって、正解は240(万円)となります。

〔⑦について〕
2024年以降の新NISA制度では非課税期間が恒久化されたことに伴い、非課税保有限度額(生涯総枠)が設定されています。非課税保有限度額は取得価額ベースで総額1,800万円、そのうちつみたて投資枠は1,800万円まで、成長投資枠は1,200万円までが保有限度となっています。
よって、正解は1,200(万円)が正解となります。
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