FP1級 2026年5月学科試験 問27

問27

居住者に係る所得税の損益通算等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 非上場株式を譲渡したことにより生じた譲渡損失の金額は、確定申告をした場合であっても、同一年中に支払を受けた非上場株式の配当に係る配当所得の金額と損益通算することができない。
  2. 特定口座(源泉徴収選択口座)内の上場株式を譲渡したことにより生じた譲渡損失の金額は、確定申告をすることにより、同一年中に非上場株式を譲渡したことにより生じた譲渡所得の金額と通算することができる。
  3. 不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額のうち、不動産所得を生ずべき業務の用に供する建物の取得に要した負債の利子の額に相当する部分の金額は、他の所得の金額と損益通算することができない。
  4. 所有する賃貸アパートを取り壊したことにより生じた損失の金額は、当該貸付が事業的規模で行われていた場合、不動産所得の金額の計算上、その損失の金額を控除する前の不動産所得の金額を限度として必要経費に算入することができる。

正解 1

問題難易度
肢140.8%
肢212.3%
肢328.5%
肢418.4%

解説

  1. [適切]。非上場株式の配当は、原則として配当所得として総合課税の対象となります。一方、非上場株式の譲渡による所得は、一般株式等に係る譲渡所得等として申告分離課税の対象です。このため、両者間で損益通算をすることはできません。
  2. 不適切。上場株式等に係る譲渡所得・非上場株式などの一般株式等に係る譲渡所得は、どちらも申告分離課税の対象ではありますが、それぞれ別の所得区分として計算します。このため、両者間で損益通算をすることはできません。
  3. 不適切。不動産所得の損失のうち、他の所得との損益通算が認められないのは、土地等を取得するために要した負債の利子に相当する部分です。「建物」の取得に係る負債の利子は、損益通算することができます。
  4. 不適切。不動産所得において貸付不動産の取壊し・除却で生じた損失は、不動産の貸付が事業的規模で行われているかどうかによって、必要経費に算入できる金額が変わります(所得税法51条)。
    事業的規模
    損失全額を必要経費にできる
    ⇒赤字になれば他の所得と損益通算できる
    上記以外
    その損失を控除する前の不動産所得の金額を限度として必要経費にできる
    ⇒損失を使って不動産所得を赤字にすることはできない
    本肢は事業的規模で行われていた不動産の貸付けなので、その損失の全額を必要経費に算入できます。
したがって適切な記述は[1]です。