FP1級 2026年5月学科試験 問28

問28

居住者に係る所得税の所得控除に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
  1. Aさん(50歳)と同居していた父Bさん(75歳)が病気により入院し、2025年12月31日時点においても入院中であった場合に、父Bさんが老人扶養親族に該当するときは、2025年分の所得税において、Aさんは父Bさんについて同居老親等として扶養控除の適用を受けることができる。
  2. Cさん(45歳)の妻Dさん(45歳)が2025年4月に死亡した場合に、妻Dさんが控除対象配偶者に該当し、かつ、Cさんがひとり親に該当するときは、2025年分の所得税において、Cさんは配偶者控除とひとり親控除の両方の適用を受けることができる。
  3. Eさん(50歳)の妻Fさん(50歳)が2025年4月に死亡した場合に、妻Fさんの準確定申告において、長女Gさん(16歳)に係る扶養控除の適用を受けるときは、2025年分の所得税において、Eさんは長女Gさんに係る扶養控除の適用を受けることができない。
  4. Hさん(60歳)が妻Iさん(60歳)および長男Jさん(28歳)と2025年12月31日時点で同居している場合に、2025年分の所得税において、長男Jさんが妻Iさんに係る扶養控除の適用を受けるときは、同年分の所得税において、Hさんは妻Iさんに係る配偶者控除の適用を受けることができない。

正解 3

問題難易度
肢14.3%
肢233.3%
肢338.9%
肢423.5%

解説

  1. 適切。同居老親等の「同居」については、病気の治療のため入院していることにより納税者と別居している場合であっても、「同居」に該当します。病気の治療のための入院である限り、その期間が結果として1年以上といった長期にわたるような場合であっても同様です。
  2. 適切。配偶者が年の途中で死亡した場合、死亡した時点で控除対象配偶者に該当していれば、配偶者控除を受けることができます。さらに、その死別により納税者が年末にひとり親控除の要件を満たしている場合には、両方の控除を同時に適用できます。
  3. [不適切]。通常は、同一の扶養親族について、複数の納税者が重複して扶養控除を受けることはできません。ただし、納税者が年の途中で死亡した場合、その納税者については死亡時の状況により、他の納税者については原則としてその年の12月31日時点の状況により、扶養親族に該当するかどうかを判定します。そのため、年の途中で死亡した人に係る「準確定申告」と、相続人の確定申告(または年末調整)の間においては、例外的に重複が認められます。本肢でも、死亡した妻Fさんの準確定申告で長女Gさんの扶養控除の適用を受け、Eさんの確定申告(または年末調整)で重ねて長女Gさんの扶養控除の適用を受けることができます。
  4. 適切。同一の親族について、2人以上の納税者が同時に配偶者控除・扶養控除の適用を受けることはできません。控除の「二重取り」は認めないというルールです。このため、長男Jさんが妻Iさんについて扶養控除の適用を受けた場合、重ねてHさんが妻Iさんについて配偶者控除の適用を受けることはできません。
したがって不適切な記述は[3]です。