FP1級 2026年5月学科試験 問43

問43

贈与税に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。
  1. 契約者(=保険料負担者)および被保険者をAさん、死亡保険金受取人を妻Bさんとする終身保険において、契約者(=保険料負担者)を妻Bさんに変更した場合、妻Bさんは、その変更時において、Aさんが負担していた保険料に相当する額の贈与を受けたものとみなされる。
  2. Cさんが、父Dさんの所有する土地を無償で借り受けて当該土地上に家屋を建築し、居住の用に供した場合、原則として、Cさんは、父Dさんから当該土地に係る借地権の贈与を受けたものとみなされる。
  3. 相続時精算課税適用者であるEさんが、2026年4月に特定贈与者である母Fさんから相続税評価額2,000万円の土地の贈与を受けた後、母Fさんが2026年10月に死亡した場合に、2027年3月15日までに母Fさんの相続に係る相続税の申告をすることができないときは、Eさんは、当該土地の贈与について贈与税の申告をしなければならない。
  4. Gさんが、2026年4月に叔父Hさんから家屋の贈与を受けた後、養子縁組により叔父Hさんの養子となり、2026年10月に叔父Hさん(養親)から土地の贈与を受けて相続時精算課税を選択した場合、家屋に係る贈与税額の計算上、課税価格から暦年課税に係る基礎控除額が控除され、土地に係る贈与税額の計算上、課税価格から相続時精算課税に係る基礎控除額が控除される。

正解 4

問題難易度
肢122.0%
肢213.9%
肢319.4%
肢444.7%

解説

  1. 不適切。相続税法では、保険料を負担していない人が保険金等を受け取った場合、保険料の負担者から保険金等を相続・遺贈・贈与により取得したものとみなされます。契約者の名義変更した時点では課税対象とはならず、妻Bさんが保険金・解約返戻金を受け取った時に、Aさんが負担した保険料に対応する保険金等の贈与を受けたものとみなされます(相続税法5条2項)。
  2. 不適切。建物の所有を目的として、個人間で土地の使用貸借による借受けがあった場合は、その貸借に係る使用権の価額はゼロとされ、借地権の認定課税は行われません。本肢は個人間・建物の所有・無償性という要件を満たすため、借地権の認定課税はなく、贈与税課税の問題は生じません。
    子が、父の所有する土地を借り受け、その土地上に子の居住用家屋を建て、父に対しては土地の公租公課に相当する金額のみを支払うことにした場合、原則として、父から子に借地権の贈与があったものとされる。2023.5-43-1
  3. 不適切。贈与を受けた年に贈与者が死亡し、贈与を受けた人がその贈与者から相続・遺贈によって財産を取得した場合、当該贈与で取得した財産は、贈与税の課税価格には含めず、相続税の課税価格に算入されます。このため、贈与税の申告期限である翌年3月15日までに相続税の申告が終わらない場合でも、その贈与について贈与税の申告をする必要はありません。
    相続時精算課税適用者が特定贈与者から現金の贈与を受けた場合、その金額が相続時精算課税に係る基礎控除額以下であっても、当該贈与について贈与税の申告書を提出しなければならない。2024.9-43-3
  4. [適切]。暦年課税と相続時精算課税には、それぞれ年間110万円の基礎控除があります。本肢では、養子縁組前に受けた家屋の贈与には暦年課税の基礎控除額が適用され、養子縁組後に受けた土地の贈与には相続時精算課税の基礎控除額が適用されます。同じ年に同じ贈与者から財産の贈与を受けていても、家屋と土地には異なる課税方式が適用されるため、それぞれについて基礎控除額の適用を受けることができます。
したがって適切な記述は[4]です。